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第20話 『森の覇者の友』

 クイーンカブトを仕留めたアイレクスが、群れの狼達の安否を確認してから、遠吠えをするとFとEランク組も合流した。

 誰も致命的な怪我を負っていないことを確認すると、安心するように息を吐いた。


 バカみてぇに強ぇし、上から目線だが、自然界の生き物とは思えないほど情の深い奴だな。

 実はこいつも俺と同じ転生者だったりしないよな。


 アイレクスが仕留めたクイーンカブトを食べて『魔力分解』でMPを回復しつつ、『自己修復』で身体を直しながらアイレクスを見て思う。

 いや、アイツの言動的にそんなことは無いんだろうけど。


“マキシスよ。お前には助かったぞ。お前がいなければ子供達の何匹かは死んでいたであろう”


 狼達の様子を一通り確認し終えたアイレクスが珍しく素直に感謝を『念話』で伝えてきた。


 いや、そんな大したことは出来てねぇよ。

 特に最後は1匹倒すのに死にかけたし。


“それでも、だ。我の感謝なのだから有難く受け取るが良い”


 ふんすと息を吐きながら、若干苛立ちながら言う。

 その様子に俺は苦笑する。

 そもそも、あの虫の軍勢もアイレクス1匹で十分に殲滅出来ただろう。

 もちろん時間はかかっただろうが、ナイトカブトが俺すら瞬殺出来なかったことからアイレクスにはかすり傷すらも付けられないだろう。

 クイーンカブトについても似たようなものだろう。


 それでも、狼達を連れて来たのは、レベルを上げて強くする意味合いがあったのだろう。

 レベルが上がればその分死ににくくなるからな。

 まぁ、狼達の忠誠心的に着いて来たがったというのもあるかもしれないが。


 だが、あの数の虫の軍勢が相手だとレベル上げ以前に死にかねない。

 アイレクスも全てをカバーするのは不可能だろう。

 そうして、二の足を踏んでいたところに俺が現れたという事の顛末なのだろうな。


 本当に人間臭い奴だ。

 言語スキルに『人化』スキルもあるし、もしかして人里で暮らしたことでもあるのだろうか。


 まぁ、そんなことは置いておいて、照れ隠しかイライラしているアイレクスが頷く。


 分かったよ。

 素直に感謝を受け取っておくよ。


 そう俺が念じるとふふんとすぐに機嫌が良くなった。


“分かればいいのだ。分かれば”


 うんうんと頷くアイレクスに俺はまた苦笑する。

 愉快なAランクモンスター様だな。


“我に手を貸した褒美にこの森にいる間なら困ったことがあれば手を貸してやらんこともないぞ”


 随分と気前のいいことだな。


“勘違いするんじゃないぞ。あくまでも手を貸した礼だ。貴様など、そこら辺で野垂れ死のうと我には関係ないのだからな”


 ツンデレかよ。


[称号『森の覇者の友』を獲得しました]


 ……そういうデレ方は照れるので辞めてもらっていいですかね。


 俺は不思議そうな顔をして首を傾げるアイレクスから目を逸らして頬をポリポリと掻いた。

また短くてすみません。

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