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表と裏の法則と対の世界

今回は少し難しい内容かも知れません。

「まず最初にこの世界その物の説明からだな」


「よろしくお願いします」


 俺は体操座りをして話を聞く体制を整える。


「ソフィアが二つの世界を管理している事は知っているな?」


 俺は小さく頷く。


「何故二つなのかは知っているか?」


 俺は首を振り否定する。


「そういえば、何で二つの世界を管理しているかは知らないな」


「それは、世界というものが誕生する際、必ず二つ生まれるからだ」


「必ず?」


「世界というのはそもそも神が作るんだが、その時に神は必ず二つの世界を作る。正確には一つの世界を作る際には、必ずその世界と対になる世界を作るという事なんだが」


「どういう事だ?」


 俺は疑問の声を上げながら首を傾げた。


 世界が複数存在するのは分かる、一つあるものが二つや三つあったとしても不思議では無い。


 神が世界を作ったというのも理解できる。


 世界とはそういうものだと思えば簡単に理解出来る。


 まぁそう簡単に理解出来るのは、実際に神に出会い異世界に転生した俺だから言える話なのかも知れないが。


 だが、一つの世界を作り対になる世界を作るというのは理解出来なかった。


 何故理解出来ないのか、それは簡単だ。


 理由が分からないからだ。


 それは世界が複数存在する理由ではない。


 必要だから複数存在しているのだろう、そこに今更疑問は持たない。


 だが、一つの世界に対してもう一つ対となる世界を作る理由が分からないのだ。


 複数の世界が必要な理由では無く、対にする理由が分からないのだ。


 作るのが分からないのでは無い。


 対にして作るのが分からないのだ。


「その理由は、神さえも変えられない絶対の法則があるからだ」


「絶対の法則?」


「それは、ルーナに分かるように言うと、表と裏の法則だ」


「表と裏、」


「表があるものは必ず裏があるという事だね」


「いや、分かるけど」


 俺は回答を聞いているはずなのに、新たに問題を突き付けられているように感じた。


 意味は分かるが理解が出来なかったからだ。


「その法則が世界とどう関係するのかが分からない」


「つまり、表という存在があるとしたら必ず裏というものも存在するという事だ」


「だから、それが分からない、と、」


 俺はそこで気がついた。


「まさか、それが世界その物にも適用するのか」


「その通り」


 俺は言葉を失った。


「世界には破ってはいけない法則、ルールというものが存在する」


「それが、表と裏の法則だと?」


「その通りだ」


「なるほど、」


 俺はやっと埋まっていないピースがはまった気がした。


 そして俺は難しく考え過ぎていた事を理解する。


 簡単な話だったんだ。


 世界には破ってならない法則が存在する事、


 それは世界その物も例外ではないという事、


 その法則の一つが表と裏の法則だという事、


 そして、その法則が俺に衝撃の事実を伝えていた。


 俺は、対の世界という意味を理解出来てはいなかったのだと


「まさか、」


 俺は驚きの声を上げて立ち上がる。


「気が付いたか、当たり前に成立しているから分からなかっただろ?」


 そう、当たり前に成立していたから分からなかった。


 この世界に来て一番最初に疑問を持つべき事があった事に。


 疑問を持っていたら、この世界でクラーロと会話をしている時に気付くはずだったんだ。


 そう、“会話”が出来ていることに。


 俺はそこに気づかなかったんだ。


 この世界は俺のいた世界では無い。


 なら何故、


「そう、何故、会話が成立するのかを」


「言っただろ、世界は必ず対になっていると」


 俺はその言葉を聞いた瞬間鳥肌が立った。


「では、改めて、ようこそ、君のいた世界と同じであり同じで無い、対の世界へ」


 そう、俺は気づいていなかったのだ。

当たり前に会話が成立する事に、


 クラーロが話している言語が俺のいた世界と同じものだという事に。


 

そろそろ、新キャラを出したい。

次の更新は四月の中旬頃の予定です。

着々と定期更新の準備が進んでいます。

頑張るぞー

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