自分で気付くべき事
七月まで休日が無いなんて嘘だーーー
気が付いたのは偶然だった、でも確かに変だ。
普通はこんな事に気付くはずはない、何故なら気付く必要が無いことだから。
たが、俺は気付いた。それは何故なのか、クラーロは頭が良いのと頭の回転が速いと言っていたが、本当にそれが理由なのか?
俺は自分の事が少し分からなくなっていた。
たが、今その事を気にしても仕方がないと俺は話を聞く体制に戻った。
「まぁ、ルーナがほとんど自分で気付いてしまったが、もう少し詳しく説明しよう」
「そうだな、頼む」
「確かに、ルーナが気付いたこの真実は知る必要の無い真実だ。その理由は神以外が知っても意味が無いからだ」
「まぁ、意味ないだろうな」
「この世界で生きていくのに必要の無い知識と言えるだろう」
「普通は世界が二つあるなんて気付く事がないからだろ?」
「その通り、二つ世界がある事をこの世界の住人はそもそも知らない。つまりこの真実を知っても意味が無い、というか意味が分からない、が正しい表現かもな」
俺はその言葉を聞いて少し考えた。
知らないと意味が無い、という事は。
「その意味の無い真実も二つの世界を知ってる俺だけは意味のある真実になる、か?」
「本当にお前は頭が良いな、というか聡いというべきか」
「自分では気付いた事を言っているだけなんだがな」
「普通はそんな事に気付かないんだがな、まぁいい、確かに今ルーナが言ったようにこの世界の住人には意味の無い真実だが、お前には意味のある真実だろうな」
そういうとクラーロはじっと俺の方を見てきた。
もうその意味も気付いているんじゃ無いのかと言わんばかりに。
「流石にどんな意味があるのかは分からないぞ」
俺がそう言うと、クラーロは少しほっとしたような顔になった。
「そうか、流石に分からないか」
「あぁ、この真実は俺にとってどんな意味があるんだ?」
「それは⋯⋯いや、これは教えるべき事ではないな。ルーナこれは自分で気付くべき事だ」
「自分で気付くべき事?」
「この真実の意味は、多分、自分で気付く事に意味がある」
自分で気付く事か、
「⋯⋯そうか、わかったよ。じゃあこの真実の意味については自分で答えにたどり着いて見せるよ」
「それがいい」
クラーロは笑顔でそう言った。
「さて、凄く濃い話をしたから忘れているかも知れないが、話を戻してこの世界の常識についての続きを始めよう」
「あっ、そういえばまだ常識の話の途中だった」
「と言っても、だいたい話してしまったから、あと話すべき常識があるとすれば、国と規則と種族についてぐらいだな」
俺は、種族という言葉を改めて思った。
そういえば、ここは異世界だったな、と。
今日は母の日、しっかりと母に感謝の気持ちを伝えましょう。