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この世界の常識

今月中には新キャラを出したい。

本当に。

『この世界の常識』俺はその言葉を聞いて少し心を身構えた。

 俺の知ってる常識はあくまでも元いた世界の常識、この世界では一切その常識は通用しないかもしれない。


 そう思うと少しだけ不安な気分になった。


 ⋯⋯なったのだが。


「まず始めに言っておくが、この世界の常識はルーナの元いた世界の常識とあまり変わりはない。」


「⋯⋯そうなのか?」


 物凄い取り越し苦労だった。


「とは言え多少の違いはある。この世界には科学が無い、つまり科学の力で行っていた常識は全て魔法で行われている」


「なるほど、確かにそれは大切な事だな」


 俺はその事をしっかりと意識しておかないといけない。


 何故なら、俺はこの世界に転生しただけでこの世界の住人では無いのだから。


「そうだ、例えば分かりやすいので言えば電気だな」


「電気?」


「この世界に電気というものは存在しない」


「えっ、電気が無いのか?」


「⋯⋯いや、言い方を間違えた。電気を作るシステムが存在しないのだ」


「どういう事だ?」


「つまり、発電する機械、発電機というものが存在しないのだ。何故なら科学という文化が存在しないのだから」


「⋯⋯」


 俺は激しく動揺した。


 言われてみれば確かに分かる事だ。


 科学が無いという事は機械というものも存在しないという事。

 つまり機械の動力源となる電気も因果関係的に存在しないという事になる。


「まじか」


「まぁ、システムが無いだけで電気そのものが無い訳じゃない。名前は違うが同じものが存在する」


「⋯⋯魔法か?」


「その通り、名を雷魔法という」


「雷魔法か」


「雷魔法はその名の通り雷を作り出す魔法だ」


「そうだろうな」


「たが、この世界の雷はルーナの世界の雷とは少し異なる」


「どういう事だ?」


「ルーナの世界の雷は電気の一種の事を言うのだが、この世界の雷は電気そのものの事を言う」


「電気そのもの?」


「つまり、この世界では電気という総称が雷となっているのだ」


「⋯⋯なるほど、そういう事か」


 つまり、俺の世界では雷などの総称が電気というのに対して、この世界では電気などの総称が雷ということか。


「だから、ルーナの世界では雷は電気の一種だったのに対して、この世界は電気が雷の一種という事だ」



「つまり、意味は同じだけど言葉が違うという事か」


「そういう事だ、これも対の世界の同じであり同じで無い部分と言えるだろう」


「なるほど、確かに同じであり同じで無い部分⋯⋯だよ⋯⋯な」


 その瞬間、俺はクラーロの発言で気付いた。

 今まで微妙に理解していなかった。同じであり同じで無い世界、対の世界の事を。


 対の世界。


 表と裏の法則。


 同じであり同じで無い世界。


 科学、魔法。


 そして、俺は意識せずに気付いた答えを呟いていた。


「⋯⋯対の世界は、意味が、結果が同じ世界」


「⋯⋯ほう、今までの会話でそこまで気付くのか」


 クラーロは少し驚いていたが、すぐに感心したような表情になりゆっくりと口角を上げニヤリと微笑んだ。


最近は外でいろんな景色を見ながら小説の内容を考えています。

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