古代語について
定期更新、頑張っていけそうだ。
「古代語というのは、その名の通り古代に存在したとされる言語の事だ」
俺は少しホッとしていた。
「そのままだったんだな、まぁ言語の呼び方に変にユニークな事を持ってこられても困るんだけど」
「さっきの魔法語が特殊なのだ、本来なら長い呼び方のはずだったんだが他の二つの言語に比べてあまりにも長いという事で省略された言葉だ。誰が省略したかは分からないがな」
「へぇー、なるほどなぁ」
「話を戻すが、古代語とは古い建築物や遺跡などに刻まれた解読困難な文字の事だだ」
「それは、クラーロでも解読困難なのか?」
「そうだな、私でも解読は困難であろうな」
「そうなのか⋯⋯ あれ?」
俺はそのクラーロの発言を聞いてある事に気が付いた。
「ん? どうした?」
「確かクラーロって五百年程この世界に居るんだよな? そのお前でも難しいって事はそれよりも前の言語ということか?」
「いや、そう言う訳ではないぞ」
「じゃあ何で?」
「それは、単純に読めないからだ」
「読めない? それは古代語を知らないと言う事か?」
「そうではない、仮にも神の使いだぞ、この世界の知識は一通り知ってるし古代語も当然分かる」
「じゃあ何で読めないんだ?」
「それは、読める字で残されていないからだ」
えっ、それってつまり。
「残されている古代語は読める程、綺麗な字では無いのだ」
つまり、読めない程汚いという事か。
「あー、なるほど。それで読めないか」
「そういう事だ」
「だから、古代語を正確に読む事が出来るのは、この世界を作り、管理してきた神しかいない」
「神の使いであるクラーロは正確に読めないのか?」
「世界を管理していた神とは違い私は知識を与えられたに過ぎない。しかも与えられた知識の古代語は完成された文字のものだ」
「完成された文字のものだと何か問題があるのか?」
「完成された、ということは未完成、つまり完成するまでの過程の文字が存在するという事。残されている古代語が全て私の知る完成された文字であるなら読む事が出来るだろう。⋯⋯残されている文字が読める程綺麗であればな」
「なるほど」
「だが、残念ながら残っている古代語は大体が完成するまでの過程の文字で記されている。したがって私は正確に読む事が出来ないのだ」
「そうか」
「まぁ、古代語はあくまでも標準語が出来る前に使われていた言語だから必要ないと言えば必要無いんだけどね」
「まぁそうだろうな」
「だから、古代語については標準語が出来る前に作られた文字で古い建築物や遺跡に残されていると覚えていてくれたらそれでいいよ」
「わかった」
「これで古代語の説明も終わりだ」
「そうか、これでこの世界の言語については一通り教えてもらったな」
「あぁ、言語については以上だ」
「これでこの世界の基礎は大体教わったかな?」
「いや、まだ教えて無いものがある」
「まだ何かあるのか?」
「あぁ、それは⋯⋯この世界の常識だ」
「⋯⋯あぁ、なるほど」
確かにこの世界の成り立ちや基本的な言語は教わったけど、根本的な事教えてもらってなかったな。
俺はそう思いつつ、崩しかけた体制を話を聞く体制に戻した。
一章は異世界の説明になるのですが、思っていたより長くなってしまっている。