魔法語と想像力
令和から定期更新スタートだ〜
「魔法語とは魔法陣を作る為に使う言語の事を言う」
「魔法陣? 魔法を使う時の言語では無いんだな」
「そうだ⋯⋯と言うのもだな魔法語とは本来の言葉が長く使いづらいという理由で省略された言葉なんだ」
「省略された?」
「本来は魔法陣発動構築補助言語と長ったらしい名前なのだ」
「うん、確かに長いな」
俺は素直にそう思った。
「意味はその名の通り魔法陣の発動、構築を補助する為の言語なんだが」
「そのままだな」
「確かにそのままなんだが⋯⋯、具体的に説明しにくいなぁ」
「どういうことだ?」
「他の言語と違って説明がしづらいんだよこの言語」
「説明も何も名前そのものが分かりやすく表現されたものだと思うがな、俺は」
「いや、確かに名前で意味は伝わるかも知れないが、使い方は分からないだろ?」
「あー⋯⋯。確かに」
意味の方は名前で大体分かるけど、使い方は分からないな。
「これは、一回使い方を見せた方が早いかもな」
クラーロがそう言うと急に体が光り始めた。
そして何かを呟き始めた。
「現界せよ⋯⋯小さき光球、ミニライトスフィア」
そしてクラーロが言葉を言い終えると体から魔法陣が浮かび上がり、その魔法陣から小さな光の球体が現れた。
やがてクラーロの体から光が消え魔法陣も消えると、小さな光の球体も無くなった。
「今のは魔法か?」
「あぁ、今のは光の球体を作る魔法だ」
「光の球体⋯⋯か」
「明かりのない場所とかで光が欲しい時に使う、言わば補助魔法というところだな」
「それで、魔法陣が現れる前に呟いていたのが魔法語か?」
「その通り、魔法陣を発動する前に発した言葉が魔法語と呼ばれるものだ」
「なるほど」
「魔法陣は過程をイメージすると言っただろ」
「あぁ、言っていたな」
「魔法語はその想像をより具体的にするものだ」
「具体的?」
「まぁ、言い方を変えるとイメージを言語にしたものだな」
「⋯⋯イメージを言語に」
「先程、魔法はイメージが強いほどその力を発揮すると私は言った。これは魔法を使う者の想像力の事だ、想像力が強ければ強いほど魔法はその力を高める」
「想像力⋯⋯」
「だが、イメージが強くても過程が明確で無ければその真価は発揮しない。魔法語はその過程を明確にしやすいようにする為に生み出された言語だ」
「⋯⋯難しいが、なんとなく理解した。
要するに、魔法陣を作る際により過程を明確にする為の補助をする言語という事だな」
「簡単に言ってしまえばそう言う事だ」
クラーロは簡単に出来る説明を難しくする事があるな。
「まぁもう少し説明する事があるのだが、それは魔法の使い方を教える時に説明しよう。その方が分かりやすいだろうからな」
「そうか」
「では、最後の言語、古代語について説明をする」
「古代語か⋯⋯」
俺はなるべく難しく無い言語である事を心の中で願った。
これから、水、金、日曜日と定期更新をしていくのでよろしくお願いします。