魔法について
小説を書いていると、思っている事を文字に起こす大変さがよく分かります。
後、説明したい事が多すぎて話があまり進んでいない。
「では、魔法と魔法語について説明するよ」
俺は改めて姿勢を正して座り直し、よろしくお願いしますとお辞儀をした。
「まずは魔法について説明するよ、魔法を使うにはまず魔法陣というものが必要になる」
「魔法陣?」
俺はその言葉を聞いてソフィアが使って見せてくれた火の魔法を思い出していた。
確か、あの時ソフィアの周りに円形の光が浮かび上がっていた、あれが魔法陣か。
「そういえば、ソフィアに一度魔法を見せて貰った時に円形の光が浮かび上がっていたが、もしかしなくても」
「あぁ、間違いなく魔法陣だな」
「あれが魔法陣というものか、」
「魔法陣とは魔法使う時に必要な、、そうだな、鍵みたいなものだな」
「鍵?」
「魔法は言ってしまえば鍵のかかった箱だ、鍵が無いと開くことはない」
「で、その鍵の役目を担うのが魔法陣という事か」
「その通り」
なるほど、分かりやすい説明だ。
「ただ、魔法と魔法陣に関して言うなら本来の意味とは逆になる」
「逆?」
「本来、鍵というのは鍵穴に合わせて作られるものだとルーナは思っているだろ?」
「まぁ、普通は誰でもそう思うだろ」
「そうだろうな、だがこの魔法と魔法陣に関してはその意味が逆になる」
「ということは」
「鍵を先に作ってから鍵穴を作るのだ」
なるほど、逆とはそういう事か。
「魔法を使うには魔法陣が必要だが、その魔法陣を作るには過程と結果を明確にイメージする必要がある」
「過程と結果か、」
「まぁ、明確にと言っても、何故火が燃えるのかとか、何故風が起こるのかとか、そんな事を考えるということでは無い」
「そうなのか」
「要するに、魔法という結果をイメージするために魔法陣という過程をイメージするという感じだな」
「それで、過程と結果を明確にイメージすると言ったのか」
「その通り、魔法とはイメージが強ければ強い程その力を発揮し、イメージが明確であればあるほどその真価を発揮する」
「ヘェ〜」
「そして、次に大切なのが魔力だ。魔力はもう分かると思うが魔法使うために必要なエネルギーの事だ」
「あぁ、それは分かる。記憶が戻った時に感じていたオーラのようなものが魔力だろ」
「そうか、そういえば魔力の説明の途中で記憶が戻ったんだったな」
「そうそう」
「では、その続きといこう。魔力とは魔法を使う為のエネルギーだが、同時にこの世界のエネルギーのことを指す言葉でもある」
「この世界のエネルギー?」
「ルーナのいた世界でいうと電力が一番分かりやすいかな」
「電力か」
「ルーナの世界では電力がないと出来なかった事をこの世界では魔力でやっていると思ってくれたらいいよ」
「なるほど、つまりこの世界は魔力が生活の一部になっていると言う事だな」
「その通り、この世界のありとあらゆる物や施設を使用するには必ず魔力を必要とするからね、魔力が無いと生きていけないと言い切れる程には生活の一部となっているよ」
俺はそれを聞いて、『同じだ』と思った。
何故なら、俺のいた世界でも電力が無いと生きていけないと言い切れる程に電力が生活の一部になっていたからだ。
「じゃあ、この世界の人は全員魔力を持っているって事か?」
「いや、魔力を持っていない人もいるよ」
「えっ、じゃあその人達はどうやって生活してるんだ?」
「その点については大丈夫、ルーナの世界でいう電池みたいな物がこの世界にもあるから」
「ヘェ〜、そういう保険もちゃんとしてるんだな」
「で、その電池みたいな物を魔法石や魔法結晶と言い、それを使い動かす物を魔法具という」
「魔法石に魔法結晶、さらに魔法具か」
「魔法石と魔法結晶は魔力が溜まった鉱物だ、それをエネルギーとして魔法具を使うという事だ」
「まさに俺の世界でいう電池というわけか」
「そういう事だ」
「けど、まだ分からないな」
「何がだ?」
「その魔力はどうやって溜めるんだ?というか魔力を持った人も使った魔力はどうやって回復するんだ?」
「あぁ、根本的な事を言っていなかったな。この世界は空気中に魔力が含まれているんだよ」
「、、、、えっ」
俺は一瞬回答が追いつかないほど驚いた。
「つまり、人の場合はその空気中の魔力を自動的に吸収して回復する。まぁ要するに呼吸をしたら回復するってことだな」
「な、なるほど、」
「魔力石や魔力結晶などは魔力が溜まったものと言ったが正確には空気中の魔力が集まり形を成した物だ」
「それって、つまり」
「要するに魔力を使ってしまうと無くなる資源という事だ」
「資源か、」
「まぁ、魔力を持っているものがいれば作れるから今のところ無くなる心配はない資源だがな」
「そうか、魔力が集まって形を成したものなら人にも作れるのか」
「そういう事だな」
「なるほど」
「まぁ、作り方とかの詳しい事は後で魔法と一緒に教えてやるよ」
「あぁ、頼む」
そういえば、魔法に必要なものは教わったけど使い方はまだ教わってなかったな。
「では、最後に魔法語の説明を始めるぞ」
「あぁ、」
俺は改めて聞く体制を整えた。
予定通り、四月の更新はこれで最後となります。
次の更新は定期更新を始める五月一日となる予定です。