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ママとわたしの はる なつ あき ふゆ

作者: 長月 夜半



小さな手 


にぎって歩く 


たんぽぽの道


ひらひらひらり 


舞い上がる


レンゲ畑にモンシロチョウ


つられて走る君を追う


いつの間にやら遠くまで


振り返るまで気づかない


突然感じた孤独感


そんな君に笑って言った


はい はい ここよ


だいじょうぶ


あなたのママは 


ここにいる





いっぱい血がでた 


ひざこぞう


わんわん泣いた 


散歩道


汗をかいてもはなれない


心地よいよい腕の中


ぴっとりくっつき 


ひとり占め


今はなんにもいらないの


ママがいるから 


だいじょうぶ


ここがわたしのかえる場所





あめふりの日はよく眠る


シトシトぽちゃり 


夢の中


かすかに笑う顔を見て


きのうのカエルかトカゲのしっぽ


それとも見つけたカタツムリ?


君の寝息に誘われる


ママも今日はひと休み


明日はお外にいけるかな





プールに虫とり 


おっきなスイカ


お陽さまピカピカ 


いっぱいあびて


わたしの顔はまっくろけ


あみの中には たからもの


セミは逃げたがわすれもの


ちゃいろい抜け殻 16個


逃がしてあげたテントウ虫


ざんねんだけど 


しかたない


ケースの中にはお友だち


まっかな金魚は”さんかしょう”


たくさん泳いで


おっきくなあれ





もう帰ろうよと呼ぶけれど


上を見上げて動かない


誰に似たのかその根気


夕焼けに 


照らされ伸びた影ふたつ


大小ならんだ影法師


明日は落ちる 


かもしれない


むずかしい顔して言うものだから


ついつい笑っておこられた


はやく来い来い 


実りの季節


まだまだ青い小さな実





フワフワきいろいお洋服


衣がえした わたぼうし


かりとり終わった田んぼには


真っ赤なトンボ 


あかね空


虫あみ忘れた散歩道


でも気にしない だいじょうぶ


今日はごきげん いいかんじ


しいの実 かしの実 こならの実


1等賞は くぬぎの実


お土産袋はもういっぱい


ちょっと待ってと新聞紙


穴あき発見さようなら


ムシムシきらいなママのため





起きてこない


熱を測っておもわず叫ぶ


いつもなら 


なだめすかしのお医者さん


今日はぐったり物言わず


注射もしたのに なんでなの


軽く済むはず大丈夫


本当なのか でもだけど


聞き捨てならない じいじの言葉


どうせなるなら注射二回


しなくて良かったんじゃ ないのかい 


たちなおれない


大ショック


はじめて罹ったインフルエンザ


はやく元気になりますように





おもちゃが増えた


部屋の中


それでもやっぱり


お外に出たい


手袋 マフラー 毛糸のぼうし


ママはいつもの かんぜんぼうび


北風ビュウビュウ 


たかい空


手作りタコは絶好調


ママ ママ 見てて 


わたしを見てて


いつもわたしを 


見ていてね
















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― 新着の感想 ―
[良い点] 自然の中で育つ子どもとの日々が温かくも切なかったです。 成長するのってうれしいんだけど寂しいなあと前半部分で思い、最後まで感情が揺さぶられました。 泣きました。全国の母が泣きますよこれは……
[良い点] 童謡を歌っているような、書き方になりましたね。 昭和の匂いがしました。 [一言] 蝉の抜け殻を集めました。 変態って、見てて飽きないですよね 揚羽蝶が 毎年 山梔子に卵を…
[良い点]   山里の、暮らしが映像で見える やさしい情景でした。 この子は、お姉ちゃんで、いつもは妹がママに甘えてるのを グッと我慢しているのかな? 転んで泣いて泣きやんでも、ママに抱っこしてる…
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