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ニュース放送
「昨夜、身柄を拘束された連続通魔殺人の容疑者、荒野幸辞。
彼の犯行の動機となったのが、この『小説家になろう』というサイトにある―――」
通り魔荒野は、小説家になろうに存在してた猟奇殺人小説の登場人物になりきって人を殺した。
その物語の作者は「ごはんライス」という名前だった。世間はごはんに非難を浴びせた。
つんく「今度、こんな感じのキャラでタレントを生み出そうと思うんだけどどうかな~
スタッフ「でも、実際に事件起こすような小説なんて、探してもないでしょう。」
つんく「そんなん、嘘でも何でもよいやんか。犯罪のおこらへん安全で適当な小説をみつくろって
スタッフ「え、でも、そんなんでホントにいいんですか?
つんく「ええねん。どうせ犯罪者なんて奇人変人で、誰にもその気持ちは判らんへん。まさかこんな小説が!?? って言えるくらい意外性があるほうが大衆の話題もさらいやすいってものや。
すたっふ「でも、つんくさん。肝心の殺人事件は、どうなさるのですか?」
つんく「だから嘘つくんや。秋葉原の連続殺傷事件の犯人の動機に仕立てあげるんや。あんな事件、そのまま終わらせたら、マジ無意味や。せめて利用して、なんかせんと。
すたっふ「さすが、つんくさん。よし、今から、スタッフかき集めて、緊急会議を行います。
~会議室にて~
つんく「ええか、全ては捏造ビジネスや。この情報は外部に絶対に漏らしたらあかん。トップシークレットや。ここにおる俺とスタッフとごはん、3人しか真実は知らん」
ごはん「つんくさん。僕は何で呼ばれたのでしょうか?
つんく「お前の小説は、一見ちゃらんぽらんや、だからこそ、大衆の度肝を抜ける。
ごはん「意味が判らないです。オレ今、来たばかりなので、説明してください。
つんく「という訳で解散!
ちゃんと説明してー!
数日後
すたっふの手配で捏造記事は世間に広まった。
捏造記事は先日起こった通り魔事件についてであり、犯人は、ネット小説に悪影響を受けたという記事であり
メディアはこぞって、ごはんライスという人物を危ない小説家に仕立てあげた・・・
~会議室にて~
つんく「ええ感じに世間は沸いてくれたな。ごはんの小説が新聞や雑誌にバンバン載ってるし、それによる権利収入はこの2週間で3000万やで。
ごはん「ありがとう。ありがとう。これで僕も貧民生活から開放されます。
つんく「ちょい待て! この3000万円はワシのもんや!このワシのアイデアなくしてビジネスは成立せんから致し仕方ない。
ごはん「えーーーーーー!!
つんく「以上、次の指示があるまで待機!」
ふざけんなーーーーーー!!
数日後、ごはんへのテレビの出演依頼が舞い込んで来る。
内容は犯罪心理学系の討論番組で学者や警察OBから非難を一方的に浴びるだけの仕事である。
~会議室にて~
(ρ_;
ごはんは泣いていた。
仕事とはいえ、ごはんは世の中の完璧な悪者になってたからだ。
つんく「泣くな。ごはん! 大丈夫や。ここから、ごはんをアイドルに仕立てあげる計画をスタートするんや。
ごはん「え?
つんく「全てが捏造だった事を今から暴露する。そうすれば大衆がメディアの情報に振り回されて罪の無い一般人である『ごはん』を攻め立てた事に対して罪悪感を抱く。そしたら『ふびんな人』という番組のオファー(ウチの番組)の特集組むから、そこで、これまでの苦しみの貧民人生を爆発しなさい。そうすれば一気に同情で人気を稼げる。哀れな人間として芸能界で定着する。」
ごはん「でも、捏造バラしたら、つんくさんの会社は世間からバッシングされませんか?
つんく「大丈夫や。犯人にエロ本でも差し入れて、「嘘つきましたー!」と言わせればええんや。犯人に騙されたメディアな絵図なら、全然問題ない。
ごはん「犯人が都合よく「嘘つきましたー」なんて言ってくれるのでしょうか? そもそも犯人は「小説から影響を受けた」事すら言ってないのですよ?
つんく「そうや、だから規制事実として、エロ本を送るんや。どうせ犯人の言い分なんて誰も信じない。「犯人は嘘つきましたー!」「我々は嘘に騙されたー!」と我々メディアが一方的に騙された事にすればいいんや。【エロ本与えたら犯人が嘘だったと供述してくれた】それのみを真実にすればいいんや。世間は勝手に【犯人は罪を軽くする為、自己責任論から免れようと小説家を利用した】と解釈するから
ごはん「ありがとう。ありがとう。これで極貧生活から脱出できます!」
つんく「ええねん、メディアは大した仕事しとらん。カネを貰う以上の対価を世の中に貢献してる会社はどこにもない。アホな大衆が知りたい情報を提供するだけの存在や、ワシ含めて、この会社もいらんくらいや。気にするな
その後ごはんライスの無実は証明され、かわいそうな人として、世間に定着、あらゆるバラエティー番組に引っ張りだこになる。
愛称は、マツコでラックス2号。マツコと瓜二つの容姿が世間の人気をさらったのだ。
数年後、ごはんは、シモ神様という名で自分の冠番組を持つ事となる。
シモ神様とは。どんな番組なのか
9:00 バレエティ放送スタート
~タイトル「幸せになろう」シモ神様の教え~
「ああ!もう、こんな時間!!神のお言葉が、はじまるわ!!」
台所でスパゲティーを茹でている最中のお母さん。一旦火を止めて
ワクワクしながらチャンネルを「幸せになろう」に合わせる視聴者お母さん
テレビではシモ神様に女優が悩み相談をしてる状況である。
その女優の悩みは、「以前に比べて、仕事が減ってきたこと」
ごはんは、女優の一通りの話を聞いた後、話し始めた。
「あなたは、おなにーしてますか?
どんな想像でしてますか?
ファンに犯されることを想像していませんか?
―――し、、してません!!」
―――女優の表情が変わった。
―――視聴者お母さんの表情も変わった。
「ふむ、なるほど。動揺するということは、まだファンを愛しきっていない。
ファンに対する心の壁があるという事です。
もし、大物芸能人であれば、「いくらでも私で妄想してよろし」と、言うでしょう。
貴方はまだ芸能界で自然体な自分を表現してません。
事務所や世間の目に縛られています。
解放させてあげましょう」
そういってマツコデックス似のオッサンは、女優の隠し撮り動画を公開した。
「ふふふふ、あなた、もうこの社会では生きてはいけないでしょう。
テレビの中の仕事以外ない、もう逃げ道は無くなったのです!」
番組中、女優泣き出してしまった。番組は一時中断され、ごはん宛のクレームのメールが卒倒した。
しかしその後、女優への仕事はバンバン舞い込んでくる。
ごはんは女優の要望通りに悩みを解決したのである。
つんく「ごはん、ようやったな。視聴率とりまくりやで
ごはん「ありがとうございます。
つんく「ごはんには、もっと凄い仕事いれるからな。今度は総理大臣の中身暴露や
ごはん「流石に総理大臣が番組に来るなんてことは、ないのでは?
つんく「大丈夫や。これは人気取り作戦や、総理大臣自らの要望でな、どうやって国民を導く事ができるかーいうて、相談に来る手はずになってる。シモ神さまは、ヤクザの仁義の示し方にのっとり、過去の失敗政策に関して責任取る様に小指を切断する様に促すから
ごはん「総理の小指を切断!??
つんく「まあ、実際、小指切断は無理やから、逃げ道を用意しておく。
ごはん「逃げ道?
つんく「【前の女優みたいにプライベートな動画を暴露する罰でどうや? 小指が無理なら辱めを受ける罰を受けて国民に誠意を示すのでどうや?】と選択肢を与える。罰を自ら受ける総理大臣の勇士は、少なからず国民に尊敬の念を抱かせる
ごはん「恥ずかしい動画を公開しちゃっていいんですか? そんなの了解してるのですか?
つんく「それだけ総理も自分の椅子が誰かに取られるのが嫌なんだろうな。総理でなくなる、というのは、人としてイラナイって言われてるのと一緒みたいな感じなんやそうや。総理は会社にリストラされるのとはワケが違う。リストラ社員なら国民の誰も知らないけど、総理は全員に顔が知れてるから、止めさせられるのが、恥ずかしくてたまらんのやそうや。
ごはん「つまり、止めさせられて恥ずかしい思いをするかもしれないなら、辱めを受けてでも、生き残りたいと?
つんく「そういう事やな。まあ、気持ち的には判るようで判らんけど