検索想定ワード【 堕胎、水子、冒頭家族】
我子を病気で死なせてしまった母は、絶望に耐え切れずストレスから病気になり、死んだ。
父親には医療費等の負担が借金として重くのしかかり、逃げるように自殺した。息子を一人残して…
息子は親戚が預かり育てる事になるが、その家庭は経済的理由から子供をおろしていた。時代は戦後直後であり、堕胎手術の仕組みは確立されていなかった。下ろされた子供は母体の中で、凄まじい苦痛とともに殺されてしまっていた。その子供の魂は、訳もわからず、帰そう本能の様に、その家についていた
水子の魂は、なぜ、そこにいるのか分からなかったが、家族の営みを見ている内に、自分には家族がいないのか疑問に思うようになる。
そんな水子の魂に気付いたのが、冒頭で死んだ家族だった。
家族は息子を一人残して死んでしまった後、行く末が気になり、引き取られた親戚の家に住み着いてた。
役割のない未成仏魂は放置しておけば、その内成仏する。
存在の意味のなさに、家族の魂は直ぐに気付き、あの世に行こうとした。
しかし、水子の魂と出会った事で同情し、成仏できなくなった。
水子は帰そう本能で家に住み着いた。その疑問に囚われた水子は、成仏できなくなった。
冒頭の家族の魂が、いくら説得しようとも、成仏を拒む水子だった。
水子の疑問は、いわゆる好奇心で、その好奇心を解決するためエネルギーは家主達に影響を与えた。
知を欲する欲求不満のエネルギーは、家主に影響し、命を奪った。
その出来事を見ていた冒頭家族の魂は、必死の説得を試み、どうにか水子の気を反らすことに成功したものの、
水子の純粋な好奇心エネルギーを止めきる事はできなかった。
冒頭の家族は世間一般では、希な不幸を経験して死んだ。冒頭家族の心の片隅には、自分たちの人生の苦悩や絶望を同世代の誰かに知ってほしい。共感して欲しい願いが、あったから、
水子の好奇心エネルギーに負けた。
その家に嫁いできてきた嫁とお腹に宿る命を冒頭家族は守りきれなかった。水子に命を奪われる寸前まで、心身に障害を残すレベルまで追いやってしまった。
冒頭家族は自分たちの無力さを呪った。共感されたい甘えの精神が、一つの家族を破滅させた。
幸い命の危機を感じた嫁と、その息子はその家を出ていった。水子の影響は、もう受ける事はない。
だが、水子は逃げる者を追いかける無邪気さがあった。
嫁たち家族は水子に取り憑かれたのだ。
家主含めて、次々に不幸が襲った。
それでも、冒頭家族の反省と努力のおかげで、死人は出すことは、なかった。
だが、このままだと、家主たち家族は水子のせいで平均寿命は超えられない。
冒頭家族はできるだけ水子の注意をそらして、いろいろな人々に目を向けさせ、家主たちの寿命を長らえそうとした。
つまり、この家主たち家族と関わった者は、高確率で不幸になる。
【一緒いても不幸になる】
次第にこの家族には、誰も近寄らなくなった。
この家族は人に恵まれなくなった。
世間からも親族からも孤立していった。
長男は成長して、人間関係が上手くいかず、悩み、引きこもる様になった。
それをキッカケにして、水子に徹底的にマークされる様になる。
水子は長男の母親もマークしていた。母親は専業主婦だった為、誰よりも、家にいる時間が多くて、水子の害を一番に受けて、生きるか死ぬか、ギリギリの障害者の様された。それでも、見た目に問題なく世間には見えたから、主婦としての仕事を全うした。
奇しくも
長男が自宅にひきこもった事で、水子の注意を自らに反らし、母親の命を永らえさせた。
長男は生まれながらにして、水子の怨念にマークされていた。平均寿命には半分も届かない運命である。
しかし、事態は変化した。
長男は生まれながらにして不幸を受けてきた為に、自身に起こる不幸の異常さを解明しようとし、
水子の存在を認識にするまでにたどり着いた。
水子存在を推理して、水子に語りかけ、水子の好奇心を水子自身の存在を疑問させる方向へと促した。
冒頭家族がこれまで水子を説得して、水子の意識をそらしてきたのと、同じやり方で、長男は自身の命を延命させていた。
その間に、親戚が増えた。叔父が結婚したり従兄弟が結婚したり、子供が生まれたりした。
水子の興味、好奇心はそちらに移り、親戚一同を不幸にしてしまっている。
長男と冒頭家族が説得をしているが、水子にとって、新たに生まれた命に対しての好奇心はとどまる事を知らない。
冒頭家族も長男も水子の影響を受ける親戚たちを守りきれない。
長男は一つの答えを出した。
【水子の注意を惹き付ければ、大丈夫だ】
長男は、水子が取り付いた親戚の直ぐ隣に引っ越した。
親戚に挨拶するかと思えば、全くしない。完全に引きこもり、親戚が隣にいるのに逃げるように隠れる。親からも隠れる。
玄関のチャイムは破壊し、親戚たちからの交流もできなくさせた。
水子から見れば異質な存在である長男に、好奇心が向く。
長男は水子の存在を認識にしている訳ではない。仮説の存在とし意識しているだけである。
長男は、水子が文字を覚えられる可能性にかけた。
文字の可能性を信じさせる事で、好奇心を人ではなく、文字に向かわせることができれば、成仏できなくても問題を解決できるのではないか
長男は、とにかく文字を書いた。Twitterや小説家になろうで、書きまくった。
水子は、いつも思っていた。【なぜ人々はモニターにじりつくのだろうか?】 その理由を解明したかった。
興味ある引きこもり長男は常にモニターにかじりついてるから、その理由も知りたい。
水子の意識は人ではなく文字列に向けられた。長男への好奇心は二の次で、文字列のみに集中している。
水子が言語を理解したとき、何が起こるのか、その続きは長男も気になるところだった…