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酒場と飲んだくれ2
「冒険者に会いたかった、ね。やっぱりお前ガキんちょだな。」
「け、悪いかよ。」
「おいおい、拗ねんなって。で、どうよ冒険者に会った感想は?」
「それなんだけどよ。なんかグリムは違う気がするんだよな。なんつーか、雰囲気かな。それに昼から酒なんか飲んでるし。
「まぁ、俺は落ちぶれ者の冒険者だからな。」
「はぁ。」店主は遠くで何故かため息をついた。
「落ちぶれ者か。でもグリムはカッコいいぜ。まぁ、ちょっとだけだがな。」
「カッコいいか、初めて言われたな。それよりランス、もう冒険者に会うっていう目的は達したんだよな。じゃあ、これから迷宮に行くのか?」
「いや、これから冒険者登録に行く予定だ。」
「な、お前まだ冒険者登録もしてなかったのか。あれは結構時間がかかるから今から行って来た方がいいぞ。」
「あぁ、分かったよグリム。アドバイスありがとうな。」
そうしてランスは駆け足で酒場を出てギルドへ向かった。