お見舞いを兼ねた話し合い。
前回、次回は夏祭りと言ったな。
あれは嘘だ(キリッ
いや、すいません。一応夏祭りには入ります。
リリィ達があみだくじで盛り上がっている頃、委員長である日向は、熱を出して家で寝込んでいた。
熱を出した理由は、リリィの浴衣姿を想像...もとい妄想して一人で興奮した為である。
「あぁ、リリィちゃんに会いたい...」
熱を出して皆勤賞を逃してしまったが、自業自得である。
ーーーー
一方、学校では
「お前ら...開始時刻に遅れた俺が言えたことじゃないかもしれんが、もう授業開始時刻だからな?普通は席について大人しく予習しとくところだからな?」
1時限目の数学担当教員の若い先生がそう注意する。
「先生。でも、これ解決しなかったら多分授業めちゃくちゃになりますよ。」
対して桶田が反論し、それに対して教師が...
「あぁ、うん。予想はできるがとりあえず次からは気をつけてくれ。」
『はーい。』
「"はい"は伸ばすな。それじゃ、教科書のーー」
(結局日向さん来ないのかな...)
日向の事を覚えていたのはリリィだけだった。
そして放課後
「あ、リリィちゃん。夏祭りの事みんなで話したいから、この後委員長の家にお見舞も兼ねて行こうと思うんだけど大丈夫?」
リリィに話しかけてきたのはくじ引きで当たった2人の女子の内、葵と呼ばれていた子である。
「はい。6時までに帰れれば大丈夫です。でも、日向さんの家をまだ知りません...」
「あ、それは大丈夫。私、行った事あるから。」
「葵さんは日向さんと知り合いなんですか?」
「知り合いだよ。まぁ、趣味の合う友達かなー...」
リリィの問いに対して何かを隠した感じで答える葵。
委員長の趣味に合う。つまりGLが好きなのである。(ただし見る側)
「そうだったんですね!あ、それじゃ早く支度しちゃいますね。」
リリィが急いで授業の片付けをしていると...
「あ、わりぃ。俺今週掃除当番だわ。だりぃ...まぁ、あと3日で夏休みだからましだけど...。」
そう答えたのは選ばれた男子の1人、虎太郎である。
「そうですか、それじゃあ廊下で待ってますね。」
「あ...うん。い、急いで終わらせるわ!」
リリィが軽く微笑むと、虎太郎の見せていた軽い雰囲気が消え、決意に満ちた表情になる。
「リリィちゃん、凄いね...」
「え?何がですか...?」
リリィはその事に気づいてないようである。
廊下に出ると、ほかの教室から出てきた生徒達もリリィに視線が吸い寄せられる。
鈍いリリィにも流石に気づくようで...
「な、なんか凄く見られてるんですが...」
「リリィちゃんが可愛いからよ。」
「そうそう!それでいて頭も良くて。」
「そのうえ族長の娘と来た!」
「学校中の注目の的だよ!」
上からリリィ、葵、鷹芳、吉春、茜である。
珍しく桶田はいない。
「は、恥ずかしいです...」
リリィも自分のルックスが良いことは気付いている。
だが、学校中の男子...だけに留まらず女子にまで目をつけられている事までは気付かない。
そこまでとは思っていないのである。
「お、終わった。」
「おーう、掃除終わったぜー。」
と、そこに虎太郎と桶田が掃除を終えて教室から出てくる。
桶田も掃除当番であった。
「よし、それじゃ委員長の家に突撃!」
「の前にお見舞いの品でしょ。」
「あ、そうだった。」
「あはは...」
突っ込み役の委員長はいないが、そこは茜が上手くサポートした様である。
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バサッ!
音を立てて布団から委員長の日向が飛び起きる。
その顔は赤く染まっている。
(ゆ、夢かぁ...)
日向は今の今まで寝ていた。そして夢の中でリリィと......
ピンポーン♪
「ひっ!」
思い出して赤面していた所にインターホンが鳴る。
現在、日向の両親は仕事に出ており、6時過ぎに毎日帰ってくる。なので、日向は1人で家に居た。
(誰だろう...)
「はーい。」
委員長がインターホンの受話器を手に取ると、外に取り付けられたカメラが誰がいるかを教えてくれる。
「おー、起きてたか。お見舞と夏祭りの件で話し合いに来たぜ。」
「あぁ、桶田君ね。ちょっとまってて。」
桶田はカメラに思いっきり寄り、自分だけがカメラに映るようにした。
後の6人はサプライズの様なものである。
カチャリ、と鍵を空ける音が聞こえる。
「...え?」
「あ、日向さん。体調は大丈夫ですか?」
家のドアを開けるとそこには天使が!
委員長は本心でそう思った。
実際は微笑んだリリィなのだが。
「な、な、な、なんでリリィちゃんが...」
「私たちもいるわよー。」
「俺達もな。」
動揺しまくりの日向に、そう答えたのは葵と虎太郎だ。
「え?え?なんでこんなに?」
「落ち着け委員長。このメンバーがお見舞いメンバー、もとい夏祭りメンバーだ。」
「あ、あああ!そ、そうなのね!と、とりあえず上がって頂戴!」
「いいのか?こんないるけど...」
流石に7人はきついのでは?と思った桶田が尋ねるが...
「家の前でこんないたら逆に変でしょ!早くあがって!」
そうは答えるものの赤面して起こっているように見えるのである。
「なに興奮してんだよ...まぁ、お言葉に甘えて上がるとしますかね。」
「お邪魔します...」
ーーーー
「うんうん、なるほど。じゃあ、その日は5時にここに集合ね。」
「ま、そうだな。」
現在桶田達が居るのは日向の部屋だ。
流石に一人部屋に8人は多かったが、全員入れたのでOKである。
「と、言うよりそんな事LI〇Eでいえばいいじゃない。なんで今更口で...」
「いや、お見舞いついでっていうか...あ!そういえばエルフィちゃんのLI〇E知らない!」
「私も。」×3
「俺も。」×3
「そういえば...」
「気づいて良かった。今ここで交換しちゃおう。」
「はい。」
今更だが、リリィのもっているスマホは指紋認証でロック解除した。
やりこんでいたケータイゲームのデータは勿論無くなってしまっていたが。
それはさておき、連絡先を手にいれたリリィは、
(この世界で初の友達の連絡先だ...)
と感傷に浸り、ほかの7人は...
(((((((合法的にエルフィ(リリィ)ちゃんの連絡先ゲット!!)))))))
と、思っていた。
そして、時間も経ちリリィの門限が近くなってきたのでそろそろ帰ることになった。
「それじゃ、あと3日...いや、今日終わったから2日だけど、ちゃんと風邪直せよ?」
「もう風邪は治ったわ。明日は学校行くわよ。」
「そうですか、良かったです。」
「お見舞いありがとね。また明日学校で会いましょう。」
「はい。それじゃ。」
リリィ達はそれぞれの道へ帰っていった。
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夏祭り当日
「...良いぞ!最高に可愛い!」
「そ、そうかなぁ...」
リリィは浴衣を着て、ロイスにその姿を見せていた。
ちなみにこの浴衣はエルフに伝わる"劣化しない布"で作られている。
その為、由緒ある浴衣なのである。
「よし、それじゃ行ってきます。」
「あぁ、くれぐれも気をつけてな!ナンパはハッキリと断るんだぞ!あとは...」
「分かってるよ。大丈夫だから...」
「楽しんでこいよ!」
「うん!」
リリィは集合場所である委員長の家へと歩き出した。




