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くじ引きな!

「ただいま。」

「おぉ、リリィ 。おかえり。」


リリィは家に帰ってきた。

昨日のような事が無いようになるべく人が多い道を通って帰ったので、絡まれるようなことは無かった。


「そういえばお父さんって何をしてるの?」

「俺か?俺は基本母さんの手伝い...いや、雑用だな。」

(雑用なんだ...だからいつも家に居るんだ...)


そういいながらロイスは笑う。


「えーっと、それでね。夏休みにお祭りに誘われたんだけど行っていい?」

「...駄目だ。」

「えっ...」


少し、ほんの少しだけ考えた後にロイスは否定した。

何故なら...


「絶対ナンパされる。」

「そんなこと...」

「ある。リリィは可愛いからな!」

「...」


堂々と本人の目の前で親バカっぷりを発揮するロイスにリリィも少し引いた様子である。

だがしかし、リリィは諦めない。


「クラスの数人で行くから大丈夫だよ。」

「全員がナンパされるかも知れないだろう。」

「男の人もいるよ?」

「何だと!?リリィに近寄る羽虫は誰だ!?」

「羽虫って...」

「とにかく駄目だ!怪我でもしたら...」

「私だけ家で花火見るの?」


リリィは鶲の時、演劇部だった。その時の演技は今も衰えず、それをエルフの超絶美少女がやる訳で...


「う...いや、でもだなぁ...」


上目使いで見られたロイスは自分の娘であるにもかかわらず一瞬見蕩れてしまう。

だが、すぐに持ち直し否定の言葉を言おうとして...


「浴衣来てみたかったなぁ...」

「わかった!許可しよう!」


落ちた。拗ねた様にポツリと呟いた言葉に逆らえず、夏祭りに行く事を許可してしまったのである。


「やったぁ!」

「その代わり!絶対に安全には気をつけてな!」

「うん!」


ロイスにとっての救いは、リリィの浴衣姿を見れる事と、最後に見せてくれた笑顔であろう。


ーーーー

月曜日



「あ、桶田くん。」

「あぁ、おはよう。エルフィちゃん。」

「おはようございます。それでですね、夏祭りの事なんですけど、お父さんから許可を貰えました。行けそうです。」

「マジで!?やったぁぁああ!」

「何!?エルフィちゃんが桶田と夏祭りに行くだって!?」

「はぁ!?何抜け駆けしてんだテメェ!」

「そうよ!私達だって誘おうと思ってたのに!!」

「だぁ!知るかお前ら!だったら今から決めればいいだろうが!くじ引きだ!合計で男子4女子4の予定で、俺達以外の男子2人と女子1人は決まってるからあと3人はくじ引きな!」

「あのー、もう1人の女子って...?」

「あぁ、委員長に昨日メール送ったら行くってさ。」

(エルフィちゃんの名前出すまで頑なにOK出してもらえなかったけど。)


「そうですか...ってそういえば今日、日向さん来てませんね...」

「うん?たしかにあいつが遅刻なんて珍しい...ていうか初めてだな。」

「おい!そんな事よりくじだ!さっさとクジをつくれ!」

「めんどくさいから後ろの黒板にあみだくじでも書けば良くね?そこに何故か模造紙あるし。」


リリィ達の教室は後ろに黒板があるのだが、未だにほとんど使われておらず、綺麗な状態だった。


「あぁ、そうだな。じゃあ早くかけ。」

「なんでそんなに俺にヘイトが向いてんだよ。ったく、しゃーねーなー。」

「あ、私も書きますよ。」

「あ、そう?じゃ、右半分...女子側をお願いしていいかな?」

「わかりました。」


そうして、2人があみだくじを書きはじめたが...


「うっ!んっ!...んんっ!」

(上の方が届かない...)


リリィの体になってからは身長が少し縮んでしまい、黒板の上の方は届かなくなってしまっていた。


「リリィちゃん、上の方届かないなら私が書こうか?」

「いえ!私がやります!」

「そ、そう?わかったわ...」

「んっ!んっ!ふっ!」


しかし届かない。


「...はぁはぁ、あの、届かないので、下の方に...はぁ、書いてもいいですか?」

「え、ええ。いいわよ。それより、やっぱ私が...」

「いえ、それでは平等じゃなくなってしまいますので!」


リリィがきりっとした顔で言うと、数名の男達は


「今の顔もいいな。」

「カッコイイ顔も似合うぜ。」

「本当に女神かなにかなんじゃないか?エルフィちゃん。」

「あぅ...」


ベタ褒めされて照れるリリィに男達がまた反応して、更にリリィが照れるといういつもの事態が発生して...

...そんなこんなで、あみだくじが完成した。


「よし、紙で真ん中を隠して...できた。じゃあ俺とリリィちゃんにジャンケンで勝った人から名前書いていくぞ。ジャーンケーン...」


.........

......

...


「と、いう訳で男子は虎太郎。女子は茜さんと葵さんに決定!」

「虎太郎テメェ!」

「俺にキレんな!怒るなら男子枠の二つを潰した鷹芳と吉春だろうが!」

「桶田、お前が友達で良かったと初めて心から思った。」

「あぁ、俺もだ。」

「...お前ら酷くね?」

「あはは...」


当たらなかった生徒達が悔しがり、嫉妬の視線を当たりの3人に送っているのを、リリィは苦笑いしながら見るしかなかった。

次回、夏祭りです。


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