表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

部活は変わらず演劇部でした。

リリィは適応力がとても高いので、女の子の体でも普通に暮らしています。

その後、家に帰ったリリィは思った。


(門限いきなり破っちゃった...どうしよう...いや、どのみちバレるだろうし、ここは正直に...!)


そう思い、恐る恐る扉を開けると...


「た、ただいま帰りました。」

「リ、リリィ!!警察から連絡があったぞ!大丈夫なのか!?」


ロイズは大慌てで飛び出してきた。

昨日の厳格な態度などまるで無かった。


「だ、大丈夫です。」

「そ、そうか...しかし、今日のような事がまたあるかもしれない。次からはもっと早く帰ってくるように。」

「はい。」

(今日帰ってくるのが遅くなったのは僕のせいじゃないのに...)


そうは思うものの口には出せなかった。


「それと、学校から聞いたが...火属性の魔法が使えたらしいな?」

「えっと...はい、試しに使ってみたらちゃんと炎が出ました。」

「ふむ、まぁその話は夕食の後にしようか。

荷物を置いてきなさい。」

「はい、わかりました。」




「それで、話というのはだな...」


夕食を食べ終えた後にロイズは話し始めた。


「まず、お前が火属性の魔法を使える事だが、これは余り公にしたくない。できる限り使わない事を心がけてくれ。」

「はい。」

「次に族長についてだ。

その事で先に話しておかなければならない事がある。」

「...」

「お前が記憶を失う前、お前は...その、なんというか...」


一瞬ロイズが言い淀む。だが、言わないと話が進まないので、思い切って喋った。


「...ものすごくやさぐれていた。」

「...え?」

「私達のせいだと思うが、気づけば素行不良、成績も悪く、学校にも行かなくなっていった。」

「は、はぁ...」

(...次期族長とか、そういうのでストレスが溜まってたのかな?あ、だから喜んだのか。)

「そのせいで、次期族長の座はお前の妹になるという話が出ていた。

...そこでだ。」

「はい。」

「リリィは族長になりたいか?それとも妹...シシルに譲るか?」

(そんなこと急に聞かれても!!?)

「あぁ、今すぐじゃなくていい。だが、出来れば早めに決めておいて欲しい。

もう、高2だからな...」

「あっ...」

(そういえば元の世界でも高2だった。)

「そういう訳だ。あと、登下校時には気を付けろよ。リリィは可愛いからな。ナンパされるぞ。」


ここまでで気づいた人はいるかもしれないが、ロイズは親バカである。


「そんな事無いですよ。それでは、部屋に戻りますね。」

「あぁ、おやすみ。リリィ。」

「おやすみなさい。」

(とはいっても、今からお風呂入ったりするんだけど...)


ーーーー

翌日 放課後

「失礼、リリィさんはいるかしら。」

「...エルフィちゃん、誰か呼んでるよ?」

「あ、はい!私です。」

「あ、いたいた。記憶喪失ってほんとみたいね...まるで別人...」

「えーと...」

「あぁ、ごめんね。私は実里(みさと)、演劇部の部長よ。リリィさんは多分覚えてないと思うけど、演劇部に一応所属してるから、声をかけに来たんだけど...」

「私、演劇部だったんですか?」

「えぇ。」

(そこら辺は前の世界と同じか...)


そう。リリィは鶲だった時にも演劇部に所属していた。

リリィの口調が自然体なのも、女の子が主人公の物語で鶲が度々主役をやらされたりした為である。


「それで、今日はミーティングがあるから予定が無ければ出て欲しいのだけれど。」

「わかりました、行きます。」

(...メンバーも同じなのかな?)




ガラガラガラ

「戻ったわ。リリィさん連れてきたわよ。」

「おぉ!ちゃんと出てくれる気になったんだね!あ、僕は副部長の阿形(あがた) 亮介(りょうすけ)。こんなでも副部長やってるよ。」

「あ、よろしくおねがいします。」

(同じだった〜)


「それじゃ、ミーティング始めるわよ。

まず、ーー」


30分後


「と、いう訳で話は以上です。」

(うん、こっちの世界に来る前に聞いた話の続きだった。)

「それで、リリィさん。はいこれ。」

「これは台本...ですか?」

「そうよ。夏休みに幼稚園で劇をやるから、その台本。

リリィさんは練習に出てなかったから役ないけど一応読んでおいて。

劇の日にちは夏休みに入って最初の月曜日よ。」

「わかりました。」

("ロミオとジュリエット"か...なぜか 僕がジュリエット役だったな...)

「よし、それじゃ今日は解散。」

(今日は早く帰ろう...)


リリィがそう思って部室を出て...


「あ、ノート忘れた...」


急いで部長について行った為、最後の授業で使ったノートを机の上に放置してあった事に気づいた。

そして、リリィが教室に向かうと...


「あ、エルフィちゃん。いたいた。」

「桶田君?」

「これ、ノート忘れてったでしょ?」

「あ、ありがとうございます。」

「いいって。それよりさ、夏休み暇?」

「えっと...わかんないです。」

「この日に夏祭りがあるんだけどさ、良かったらみんなで行こうよ。委員長とかも誘ってさ。」

「...そうですね。予定がなかったら行きましょう。」

「やったぁ!」

「だぁ!くそ!先を越された!」

「お前!一人だけいい思いしやがって!」

「ははは!早いもん勝ちだ!」


リリィを狙うグループは他にもあった様である。


「あ、それじゃ...また明日。」


ぺこりと頭を下げたリリィに対して男達は


「「「明日は土曜日だけどね。」」」

「あっ...」


見る見るうちに赤くなっていくリリィ。


「そ、それでは!」


短く言葉を残し、リリィは走り去っていった。


「照れてるエルフィちゃん可愛かったな...」

「あぁ、天使だな。」

「いや、女神だろ。」

「浴衣姿可愛いんだろうな...」

「「自慢かよ!チクショウ!」」


リリィを夏祭りに誘えなかった男達は悲しく叫んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ