鶲は公園で理不尽を叫ぶ
土モブの合間に息抜きで書くpart2
もう1つ投稿してます。よろしければ
春山 鶲
何処にでもいる高校生。その容姿は中性的で、男だが女に見られることもしばしば。ウィッグを付けるだけで女になれる、たまにいるそんな人。
「鶲ー、鶲ちゃーん。」
「なに?」
「今度の舞台っていつだっけ?」
「舞台っていうか、予定は夏休みと休み明けの学園祭だよ。」
「演劇部なんてよくやるよなぁ...」
「ほんとな、てか舞台に立つとほんと役者だもんな。...おっ、新商品じゃん。これ買おー。」
いつものように、学校帰りにコンビニで買い物をして、公園に立ち寄ろう、ということになって友人3人と共に歩いていた。
「それでー、新作のゲームが明日発売なんだ。当日配送で明日朝届くようにしてるし、もう明日学校休んで一日中ゲームしてようかなー?」
「先生にはズル休みって言っとくね。」
「ちょ、鶲ちゃん!?じょ、冗談だから!や、やめて!」
と、その時。不意に強い風が吹いた。
「うわっ、今日ってこんな風強かったっけ?」
「本当だねー。」
「さいあくー。スカート見られた。」
「え?」
突然の事に間抜けな声を上げる鶲。
それと同時に自分の肩にバサリと何かの落ちる音が聞こえる。
それは長くサラサラとした金髪。
染めたような金ではなく、地毛と思われる綺麗な金髪。
「「「エルフィ?」」」
女子学生と思われる3人組がこちらを不思議そうに見る。
何かがおかしい。鶲はそう思った。
自分の名前は春山鶲だし、こんな女の友達はいない。それに...
「エルフ...?」
「何いってんの?私たちはみんなエルフでしょ」
「なになに、白昼夢でも見た?」
「それとも記憶喪失?」
そういいながら3人はケラケラと笑う。
そんな馬鹿な。さっきまで友達と一緒に歩いていたのだ。いつものように、コンビニで片手間で食べられるような物を買い、公園で駄弁りながらケータイをいじる...そう思っていたのに...
「ちょ...えっと...」
「え、まじで記憶喪失な感じ?」
「やばくない?」
「今の風のせい?」
何を話したらいいのかわからず、出てくる声はとても高い女子の声だ。元から人よりも声の高い鶲ではあったが、それよりも高い。
「ちょっと待ってて!」
そう言い、トイレの個室に駆け込む。
いつも立ち寄る公園は男女の区別がないタイプの飲食店にあるようなトイレだが、とてもキレイに整備されている。
よく見ると、自分がさっきまで持っていたスクールバッグには女子に流行っているストラップが付いており、中を見ると手鏡や化粧道具等の男子は持つことはないであろうものが入っている。
恐る恐る手鏡で自分の顔を見るとそこには...
金髪碧眼。整った顔立ち、何処か鶲の元のかをに似ている部分があるが、別人の顔。
絶世の、それもエルフの美少女がいた。
「なんでぇぇぇええええ!!」
可愛らしいその叫び声は午後4時の公園に響き渡った。
読んでいただきありがとうございました。
続きが読みたければ書きます。(2回目)