第8話
私は豪華な赤い花模様が外側に付けられた姿見に映る自分の裸の筋肉美にうっとりしていた。
バキバキに割れた腹筋……鉄のように固そうでいて車にしかれても平然としていられそう。
山のように盛り上がった背筋……バイクすら背負えそうね。まったく何て美しいんでしょう。
胸筋……上部は平らで背筋よりも華美に盛り上がっていて素晴らしい! でも、女の子としては悲しい……貧乳じゃん。
しかし、これも最強の魔法使いになるため! 体も鍛えないと海内無双にはなれまい。
ああ、後足の筋肉も無駄を削ぎ落としていて美しい筋肉をほこっている。
私は鏡の前でいろいろとポーズをとった。女の子らしからぬマッチョポーズばかりを。
なんか、私、残念な子の気がするけど……気のせいよね。気のせいよ。あはは。
そこで私は覚醒した。分厚くぶっといベッドの上だ。私はガバッと勢いよくはね起き姿見の前で全裸に……。
あら、筋肉はない。どこかに旅立ってしまったのかしら。でも昨日よりはましだ。筋肉量アップ。
さっきのは夢か……でも現実にして見せる! あれくらいあれば十日ぐらい寝ずに戦い続けてもへっちゃらだろうし。
私はパパパッと早送りしたみたいに素早くジャージに着替え自分ちのジムへと向かう。