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第6話

 今日は厄日だ。今目覚めたところだが急にそんな日になったわけではない。


 波のように揺れるカーテンから目を痛めそうなぐらい明るい曙光が差し込んでいる。


 まるでレーザービームだ。いや、それは言いすぎだけど。


 私は憂鬱な気持ちで玉ねぎの皮を剥くようにかけ布団をはぎ、そろそろとベッドを降りた。


 ああ、最悪だ。今日は待ちに待ったの逆のお茶会の日だ。


 いや、暑いから嫌とか、寒いからヤダとかではない。そんなことだったら私はそこまで落ち込まない。


 お茶会の場所が攻略対象キャラ、オルストラスの居る城の庭園なのだ。


 いけば逝去に近づくではないか。あーもー! お父様もお父様よ。


 私に行かないという選択肢を与えてくれなかった。行かないと二年間お小遣いぬきなんて!


 そんなことされたらホビーの読書が同じ本の繰り返しになってしまう……。


 そこで従者の声がした。控えめなノックの後に。一瞬無視しようかと思ったがそういうわけにもいくまい……しくしく。


 私の上背の二倍はあるドアの鍵をあけドアノブを回し開いた。


 「今日はおめかししないとダメですよ?」等と言われつつピンクのドレスをまとう。ヒラヒラのレース、ウエストの部分が引き締まったやつだ。


 うう、苦しい。私を殺害するかもしんないおっかない王子様に会わないといけないなんて。


 私は顔をしかめて少し涙を流した。それを見たメイドたちはモリシス様が嬉し泣きをしたと噂になったとか。


 死に近づくのに歓喜するバカなどいないわ! と後に私は思うことになる。


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