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第2話

 今は夜。カーテンの隙間から月光が差し込んでいる。そのカーテンも窓が開いているので舌をベロベロするように舞っている。


 私は日頃の行いが悪いせいか(そんなはずはないが)一睡もできず迫力満点の金かけまくりのベッドで天蓋を見つめていた。


 なぜか寝付けない。確かに私は神経質だがここまで就寝できないことがあったろうか。もう二時間もウトウトとすらしていない。


 これなら悪夢をみていいから寝たいものだ。しかし、この前友達から聞いた、人の傷口からアリが何匹も出入りするのはやだ。


 そんなの見た日には寝るのがトラウマとかすだろう。これでも私は……モリシスは十才なのだ。


 私は毛布を蹴飛ばし跳ね起きた。まるでバネ仕掛けの玩具だ。


 ライトノベルでも読もうと思ったのだ。リモコンで部屋の照明をつける。規則正しく並んだそれが一斉にパッと光る。


 黄色く安心する色だ。私は自分の身長より高い書架にトコトコ歩みより品定めを始める。どれにしようか。


 読んだ本もそうでない本も同じ本棚に棚ざししている私。いや、面倒くさいとかじゃないからね!


 そんな時照明が暗幕でもかけられたかのように消える。私は慌ててオロオロ。こんなところは使用人には見せられない。格好がつかないではないか。


 その次に襲ってきたのは魔物ではなく揺れだった。つまり地震だ!


 どうしよう!?


 私は「ひゃー!」等と奇声をあげちゃった。そこでガッと音をたてて何かが落下。私の頭部に直撃した。私は「グエッ!」。まるで踏み潰されたカエルだ


 遠退く意識と共に書架が倒れ本の雨も降り注ぐ。私をやっつけたのは分厚い千ページ以上ある事典だった……。


 従者の「大丈夫ですか!? お嬢様!? 頭は痛みますか!?」という声で意識回復。そこは従者の膝枕の上。


 私はショックで前世の記憶を取り戻していた。前は日本にいたことも。そしてこの世界が前世ではまった乙女ゲームの世界であることにも気づいた。


 しかも私は悪役令嬢……。死亡の可能性もある嫌な立場だということも理解できた。やばい夭逝するかも!?

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