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闘気とは?

 私は彼女の問いに答えられなかった。


 と言うか、問われている内容が分からなかった。


『何で、教えて?』


 これに回答出来る人がいるだろうか?


 私はコミュニケーション能力が高い方ではない。

 したがって、気のきいたセリフが思い浮かばない。

 どうしたら良いか正直分からない?


 私が固まっていると彼女は私から距離を取り、おもむろに腰に下げていた木剣を抜く。

 そして足下に落ちていた石ころを拾い上げ、空に放り上げる。


 空から落ちてくる石ころを彼女は木剣で斬った!?


 石ころの数は十個はなかったが、それら全てを木剣で斬ったのだ!

 石を弾く事は私にも出来る。

 だが、斬る事は出来ない。


 間違いない。 彼女は闘気が使える!


 私が六歳当時から剣を習った頃に、ノーマンが身体強化と斬撃強化を見せてくれた。


 後に、この効果の事をノーマンは。


『闘気』と教えてくれた。


 ノーマン曰く

『闘気は誰でも使えるが、大半は誰も使えない』と言っていた。

 問答のような言い方だが、要するに使い方を知らないから誰も使えない。

 使い方が分かれば誰でも使える。

 と言うことらしい?


 だが、私は闘気が使えない。


 使い方を教えて貰ったが使えない。


 ノーマンは更に言った。


『お前は才能がないから、使えない』


 それはおかしい!


 だって誰でも使えるとノーマンは言ったのに?

 何で私は使えない!?


『闘気は誰でも使える。だが、才能によって使える幅が違う。そして、なかにはお前のようにまったく使えない人間もいる』


 ノーマンが言うにはそう言うことらしい?


 それを補足するようにエルクが私に更に教えてくれた。


 闘気は誰でも使える。


 闘気は個人差が有って体の一部のみ使えたり、体全身で使えたり、果ては物にも使えたりする。

 そもそも、闘気の使い方自体を大半の人は知らないらしい。

 更に使い方を教えても大半が体の一部しか使えない。

 指先だけだったり、手のひらだったりとか。

 なかには、目や、耳に闘気を纏えるらしい。

 目であれば遠くを見れたり、小さい物がよく見えたりする。

 耳は、遠くの音や足音、息づかい等、索敵等に便利だ。


 エルクは拳に闘気を纏えるが殴るぐらいなら剣で斬りつける方が良いと、ほとんど使ったことがないと言っていた。

 しかも、威力が弱いらしく闘気を纏っても纏っていなくても、大して代わらないそうだ。

 だから、闘気が使えても代々は使い物にならないと言うことだ。


 しかし、なかにはノーマンやリリのように全身や物に闘気を纏えて、しかも飛び抜けた力が使える人もいる。

 こういった人達は遺伝によるものが多く、私の曾祖父は類い稀な闘気使いで、祖母も同じくノーマンも使えた。

 そして、私だけが使えない…………


『何で、お前だけ使えないかな~?』


 そうノーマンが何時も愚痴っていた。

 その後、マーサに鉄拳による説教を食らっていたが。


『闘気の教えかたは、流派によって違う』


 生前のノーマンが言っていた事だが、私が闘気を使えないのは竜王剣の教えでは出来ないのではないのか?

 竜王剣以外の流派なら使えるようになるのでは?

 だが、アルマルスでは竜王剣以外の流派が少なく、違う流派を学ぶ手段が無かった。


 しかし、今なら!


 今、目の前のレティは竜王剣とは違う流派の剣術を使える。

 少なくとも、ノーマンやエルクが教えてくれた流派とは違うはずだ…… たぶん?


「これのこと?」


 レティの問いに、私は無言で頷く。


 そして、私はとっさに動いた!


「お願いします。私に闘気の使い方を教えてください!」


 私は彼女に土下座した。


 なりふり構っていられない。


 生き残る為には、恥も外聞関係ない。


 それが私の持論だ!

 

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