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領主代理?

皆様、こんにちは。

私は、ローダン村の領主代理?代行?になりました。

まさか、11才で領主代理?になるとは、思いもしなかった?

しかし、頼まれた以上はやらないとね。

という訳で、私は領主代理です。


領主代理の朝は早い。

日が登り切らない内に、領内をランニング。

同行には、リリとシルバァが、シルバァは当たり前のように、リリは勝手に付いてきた。

最近、シルバァはリリやナナにべったりである。


リリがシルバァを発音しにくいのか?

最初は、「シル」と呼び。

次いで、リリがシルだとなんかおかしいといい。

「ジル」がいいと言い出し。

二人は、シルバァをジルと呼ぶようになった。

「それから、ジル」と呼ぶようになると、シルバァと呼んでも反応しなくなった。

代わりにジルと呼ぶと、尻尾を振ってやって来る。

リリとナナは、もはやシルバァと呼ばず、ジル、ジルと呼んでいる。

私が名付けた時は、あんなに喜んでいたのに、お前はそれでいいのか?と言いたい。

女の子には、甘いのか?

シルバァも男だからか?

あっ、忘れてました。シルバァは男の子です。

シルバァじゃなくて、ジルですが。


私は、女の子と狼を従え、鍛練を兼ねて村を見回る。

鍛練が主な目的ですが。

日が昇りきり、館に帰って来て、朝食を取る。

朝食は、家族皆で取ります。

今、この館には、私とベス、リリとナナ、シルバァ改め、ジルの四人と一匹がいる。

以前は、食事は、私とマーサが作っていたが、今はベスが作っている。


領主代理の私は、食事を作る時間も惜しい。

というか?作らせてもらえなくなった?

ベスが。代理の仕事に集中出来るようにと、家事全般は私達がやりますと、宣言された。

達ということで、リリとナナも掃除、洗濯、家事の手伝い等やっている。


私としては、家事は息抜きに近いのだが?

ベス達の仕事を取るのも、気が退ける。

以前は、マーサが好きにやらせてくれたから、楽だったのに、この年で気を使うはめになるとは?


午前は、以前と同じ村の子供達に読み書き、数学を教える。

マーサが始めたことを、私が受け継いでいる。

午後には、軽く昼食を取り、村の政務を行う。


いざ、気合いを入れて政務に臨むが?

意外にやることがない?

ノーマンがあれこれと時間をかけてやっていたことが、私には難しいことではなかった。


ノーマンは、報告書や、税務等の書類仕事が苦手だった。

よく、マーサや、エルクが手伝い、果ては、私まで手伝わされていた。

そんなこともあり、書類仕事はまったく問題なかった。

前世でも、似たような事もしていたので、むしろ、得意分野だ。


困った事は、相談事だった。

僅か11才の少年に、お悩み相談して来るとは?

そう言えば、ノーマンに会いに来た人達は、誰しも暗い顔をしていたが?

帰りには、少し明るい顔になっていた。

あれはノーマンに、愚痴をこぼしていたのか?

私の目の前いる若い男性が、相談?ではなく、悩み事を言っている。

あまり人には、言えない事を私に話している。

私はその話を、何となく聞いて、何となく返事をして、何となく相槌をうって、最後に、励まして帰す。

そんな事を繰り返している。


夕方になる前に、館に残っている村人を帰す。

いつの間にか、老人ばかりが集まって井戸端会議?

ここは、集会所じゃないですよ?まったく。


その後は、夕食まで自分の鍛練。

万が一の為にも、鍛練は欠かせない。

リリとシルバァ、じゃなくて、ジルを相手に模擬戦闘。


最近、リリには剣だけだと、勝てなくなった。

相変わらす、型を覚えるのは苦手だが、いざ、実戦になると、自然と型を使えている。

頭が覚えなくても、体が覚えている感じなのか?

もしくは、無意識にやっているのか?

おそらく後者だろう。

この化け物め!

小さな女の子で、妹のように想っている子だが、この時ばかりは、そう思わざるをえない。


そして、もう一人の化け物は。

一人黙々と、魔法の鍛練をしている。

最近は、私に聞いてくることが、少なくなったが、


「出来た!見てみて、お兄ちゃん♪」


完成した魔法を見せるようになった。

私、見本を見せてませんよ?

なんで、本見ただけで、出来るの?

お兄ちゃん、不思議です?


どうしてだろう?

エルクもベスも、言っては何だが、普通の人なのに?

なんで、こんな化け物?じゃない、天才が産まれたんだろう?

うらやましい!

本当に、うらやましい!


無い物ねだりはやめよう。

嫉妬しても、しょうがない。

有るもので、積み重ねていくしかない。

日々、彼女達に嫉妬しながら、鍛練を重ねる。


そして、夕食後、

書斎で、明日の予習として本を読む。

書斎と言っても、本は20冊もない。

大抵読んでしまっている。

でも、なんども読み返す。

何かしら、発見が有るかも!と思いながら。


そして、就寝。

最近一人で寝てます。

シルバァこと、ジルは、リリとナナと一緒に寝ています。

そうだよな、男より、女の子がいいよな?

裏切り者なんて、思ってないからな!

恨んでなんかないからな!

いつか、目に物見せてやるなんて思ってないからな!

ええ、思ってませんとも、今の所はね。


では、おやすみなさい。


ノーマン達の無事を祈りながら。


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