お母さんの話
〜母親の人生〜
母親は私が物心付いた時から
口癖の様に言っていた。
私はね、
早くあの家を出たくて
お父さんと結婚したんだよって。
母親の母親
私の祖母に当たる人は
お母さんの姉が大切でいつも
母は姉のお古を着ていたらしい。
姉の写真は沢山あるのに
お母さんの写真は数枚しかない。
邪魔者扱いされていたらしい。
そしてスポーツも勉強も出来た母だったが
大学には行かせて貰えなかったと聞いた。
そして、高校を卒業したのち
就職をしたのだと。
ただ、早くあの家から出たかった
それだけをひたすら思っていた母親は
父と出会い21歳で結婚。
そして父型の実家で同居を始めた。
父型の祖母は
凄く良い人でいつも母親の事を
実の娘の様に可愛がってくれたという。
だが祖父はとても厳しい人だった。
世間体を気にする人で
凄く頑固で所謂、亭主関白って奴。
会社でもお偉いさんだったらしい。
そして子供も男の子を望んでいたのだと
言う。
1人目
私の姉が誕生した時は
初孫だっただけに女の子でも
やはり嬉しかったみたいで喜んだ。
そして次は男の子って
皆が望んでいた。
しかしそれは
叶わなかったのだ。
私は女の子だから。
そんなに長男って偉いのか?
そんなに男の子のが良いのか?
私には理解は出来ない。
ただ、必要としてくれてるのは
母親だけなのかもって
小さいながらも思っていた。
母親はいつも言う
私は姉と比べられて育った
だから唯にはそんな思いしてほしくないの
って。