四話目!!!!
昨日は結局、連続ログイン可能時間ギリギリまでスライム狩っていたのに気付かず、危うくペナルティーをもらうところだった。
このゲーム、謎のシステム(もちろんちゃんとした名前があるが俺は忘れた)のおかげでログイン中の経過時間が
四倍になるのだが、その分脳に負担がかかるためログイン時間と再ログインまでの時間に制限がかかっている。
これを破ると、三日間のログイン禁止になるという、ゲーマーにとっては非常に厳しい罰が下る事になる。
廃人達が以前別のゲームでこれを喰らって、三日間のゲーム禁止生活でかなりイライラしていたのは、記憶に新しかったりする。
それを見た周りの人間は、破局の危機か!と見当違いな事を考え騒いでいた。(一人、真相を聞き出そうと突撃し、冷たい視線を貰い撃沈していた)
まあ、三日後には以前通りの関係に戻っていたが。
話しが逸れたが、今は二人の事はあんまり関係ないので置いとく。
そんなわけで、昨日は急いで宿に駆け込んでログアウトしたため、クエスト達成報告をまだしていない俺は、ログインするとまず最初に冒険者ギルドに向かった。
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「おっちゃん。モンスター10体倒してきたぜ。」
と俺が言うと、おっちゃんはいいだろうと呟き、クエスト達成報酬が表示され話し出した。
「お前はどうやら中々根性があるようだ。お前になら我が流派を授けてもいいだろう。ただし、教えてほしければ試練を受けろ。それができなければ、教えたところで満足に扱えんだろうからな。」
おっちゃんの言葉が終わると同時にYES/NOという選択肢が表示された。
このゲームに流派があるというのは知らなかったが、試練があるくらいだからきっと強力な物なのだろう。折角二人から貰ったゲームであるし、久しぶりに楽しいと思えるゲームだ。受けない理由はない。
それに、二人からも聞いたことの無い流派をとれば、自慢できるかもしれない。たまには、ゲームでも何か一つくらい勝負になる物が欲しいとずっと前から思っていたのだ。
俺はおっちゃんの目を見ながら宣言した。
「試練受けてやるよ。今度は今までみたいな簡単なクエストじゃないんだろ?」
これは、別に挑発しているわけではなく本心だ。
正直言ってスライム狩りは攻略法を見つけてしまったので、作業のようになってしまっていた。
別にバトルジャンキーではないが、ギリギリの戦闘というのがしてみたいのだ。
おっちゃんは俺の発言に驚いたのか、一瞬固まると次に笑い出した。
「いいだろう、希望通り難易度を上げてやる。お前の最初の試練は、この街の周りの草原に住む各種族をまとめる、四体のリーダークラスの魔物のソロ討伐だ。」
クエスト
流派獲得への試練1<流派??流剣術>
始まりの街アレントスの東西南北に存在するフィールドボスのソロ討伐。
報酬
???
尚、このクエストにはレベル上限制限があります。(上限Lv10)
制限を超えた場合は、クエスト失敗扱いとなり流派の獲得ができ無くなります。
また、フィールドボスとの戦闘及び討伐の際の経験値はこのクエスト受注中に限り受け取ることができません。
……何だこのクエスト!?いや、無理ゲーだろ!!
思わずおっちゃん睨むと、どうだ、とでもいうかのように笑うおっちゃんの顔が目に入り、何か反撃しようにも反撃できない俺は、言葉にならないモヤモヤを抱えたまま逃げるようにギルドを出て行った。




