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一話目!〜ついに倒しました〜

-Hunting and adventure online《HAAO》-


俺は今、一人孤独に戦っている。そう言うと誤解されそうだから言っておくが、友達がいないわけではない。

「そんな雑魚も倒せないの?」と言われてかっとなってひとりで来たわけでもないし、別に悔しくなんてない。

たかがゲームだし!


……別に気にしてるわけではない。多分。


まあ、そんなわけで俺は今一人戦っているわけだ。かれこれ二時間くらい……


敵は俺の渾身の一撃受けて吹き飛ぶ。しかし、その数秒後には何事もなかったかのようにその半透明の体を震わせ溶解液を発射する。もう何度も繰り返した光景なため、余裕で回避しその勢いのまま一撃を入れると、流れるような攻撃に敵は反応することもできずに吹き飛ばされる。まあ、全くと言っていいほど効いていないのだが。


避けるのも飽きたし、そもそもこのまま同じことを続けても埒が明かない。

ここはひとつ攻撃方法を変えてみることにする。まずは敵に攻撃させる暇を与えない作戦で行くとしよう。そろそろ集中力が切れて回避しきれなくなりそうだからというのは秘密だ。ひたすら腕を振り攻撃していると敵の表面がはじけ飛ぶ。今までに無い手応えだ。


「行ける!」


俺は叫び声を上げながらさらに攻撃速度を上げた。



―数十分後

半透明の身体のなかにある謎の固形物を破壊したのが決め手となったらしい。

ついに敵がポリゴン体となって砕け散る。

戦闘終了を告げる音声と共にホロウインドが展開され、そこに表示された[スライムを倒した]という表示を見て、スタミナが切れ息も切れ切れの俺は、剣を杖にしつつどうにか最後の力でガッツポーズを取った。それでついにスタミナが完全になくなったのか、視界がくらみ、俺は糸が切れた人形のように地面に倒れ意識を失った。



―――――――――――――――――


鳴り響くアラームの音で目を覚ますといつの間にかログアウトしたらしく黒いプラスチック越しに部屋が見えた。

いつログアウトしたんだっけなあと曖昧な記憶をたどっていると時計が目に入った。

……7:30だと!

やばい、あと十分で家をでなければ遅刻する!急いで着替えると、起こしてくれなかった親に文句を言い、家を出たのだった。


SHRが終わると寝坊の原因でもあり、幼なじみでもある、男女二人組が俺に話しかけてきた。

あ、学校にはギリギリで間に合いました。いつも見ない顔だからか生徒指導の先生に「誰だコイツ?」みたいな顔されましたが。あんた、 俺のクラスの体育の担当なんだけど……

いや、決して俺の影が薄いわけじゃないです。多分……


この二人、ぱっと見は美男美女で、いかにもモテそうといった感じたが、残念ながら廃人ゲーマーとして有名なためあまりモテない。


ゲーマーとか関係ない、と思うかもしれない。

実際、何名か話し掛けた奴もいたのだが……あっさりと撃沈した。(もちろん、彼ら又は、彼女らの大半は二人のやっていたゲームをやったことがなかった)


最初に結論を言うと、この二人と楽しく会話をしたければ、まずゲームをやり込まないといけない。

何故かというと、この二人の会話というのはゲームの話ばかりなのだ。

そのため、知らない奴が会話に参加しようとすると、外国語を聞いている気分になる。

かく言う俺も、いくらかわいいからといって、幼なじみでなければ話そうとは思わなかっただろう。(彼らも幼なじみじゃなければ俺に話しかけなかっただろう)


え、俺の容姿?フツメンに決まってるだろう。

.....ま、まあ、女顔と言われたりもしますね、はい。

まあ、俺の事は置いといてこいつらとの会話だ。


美男ー西宮拓哉ーがニヤニヤしながら話しかけてきた。


「よう、スライム倒せたか?」


「当たり前だ。俺だってそんぐらいは出来る。」


と俺が答えると、美女ー井坂莉奈ーが満足げに言った。


「良かった。無事に魔法覚えたんだね。」


「魔法?」


いきなり魔法という、ファンタジーな単語が出てきて困惑する俺を置いて会話が進んでいく。


「魔法さえ覚えちゃえば、スライムなんて敵じゃなくなるよね。」


「HAOOのスライムは物理耐性持ちだけど、魔法は弱点扱いで異常なほどダメージ入るよなー。まあ、ドロップもたいしたことないから無視しても問題無いし、魔法系スキルのレベル上げ以外じゃ戦う必要も無いけどな。」


そう、拓哉が言うと莉奈は不満げに呟いた。


「そんな扱いのせいでエリアボスがいまだに不明なんだけど……」


「まっ、他のボスが片付いたらじきに討伐されるさ。」


「うん、それもそうか。あっ、そんなことより、夏樹は前衛、後衛どっちを選ぶの?」


困惑しつつもおれは正直に答えた。


「俺、遠距離を攻撃できるスキルを持ってないんだけど……」


拓哉が意味不明といった顔をしながら確認してきた。


「スライム倒したんじゃないのかよ?」


「いや、俺、剣で倒したんだけど」


「「えっ?」」


読んでくれた方ありがとうございます!

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