ユルイ日常+αバカ校とは3
ここを離れる事にした中坊には、3つの高校しか残って無い。
1、ガリ勉、東栄高校(栄校)
2、とにかく普通、秀英高校(秀校)
3、バカだらけ、鷹伊高校(バカ校)
大抵のガキは2を選ぶんだが、生憎うちには私立の秀校に行けるような金は無え。無えっつうわけじゃねえけど、無え。1なんか、手も付けたく無かったから3を選んだ。
超悩んで、3分くらい超悩んで、中坊のオレは、3を選んだ。
多分この選択は間違って無い。と思う。
おかげでオレ等は出会えたし、はっきり言って、かなり楽しく毎日を生きている。生きている。
おそらく、おそらくだけど、間違ってなんかいねぇんだ。
「あ、今何時?」
ぼーっと、んなこと考えてたら、もう昼休みは終わりに近づいているみたいだ。
テニスコートからは形だけの『ありがとうございました。』が聞こえた。
「次授業なんだっけ?」
「なんだっけ、理科?」
「国語じゃね?」
「え、古典?現文?」
「知らね。」
「古典だよ、白川じゃん?」
「げ!あのハゲ!?」
「…………どうする?」
「…………。」
フっと笑って、オレ等はいつものサボり場所まで駆けて行った。廊下では3組の松田さんとすれ違った。顔が赤くなった。
多分オレは、この生活が好きだ。
彼女は居なくても。
視線は冷たくても。
親はウザクても。
日は昇らなくても。
「オイ!Mr.ピアッシャー!!」
タバコ臭い職員室からは、白川の、オレを呼び止める声が聞こえた。