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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

牢に繋がれた女騎士に淫魔は甘く囁く

作者: kurobusi

「ぐ…くそ……」


<……戦場であれだけ暴れ回ってくれた女騎士も、鎖に繋げられれば大人しいものね>


「……ふん、淫魔め……一丁前に人を牢屋に繋げて…何様のつもりだ」


<これでもお偉い魔族様に拷問吏を任されてるのよ。ほら、口開けて。これ飲みなさい>


「むっ!……んぐ……うっ、体が、熱を…何を飲ませた…」


<淫魔が持ってる薬なんだから予想つくでしょ。媚薬よ。感度上げるやつ>


「ちっ……例え身体を汚されようと、魂は堕ちない」


「貴様の下賤な手で誇り高き騎士である私から情報を引き出せると思うな!!」


<じゃあ先ず爪から剝いでくわね>


「ちょっと待って」


「爪?爪剝がすのか!?」


<そうよ。感度高まりきってるから痛いわよ~>


<全部剥がす前に軍の情報吐いてくれると嬉しいわ>


「いや貴様淫魔だろ?媚薬使っただろ!?」


「他にあるだろうほら情報を聞き出したいなら……ほら!なぁ!?」


<確かに貴女みたいな子をイジめるの好きだけど、今は仕事中だから>


「クソッ公私の切り替えがキチンとしている…!!」


<なに?よく分からないけどそっちの拷問して欲しいの?変態?>


「違うわそういうわけではないけどな!?滅茶苦茶に痛いやつよりまぁそちらを選びたいだろう!?」


<じゃあこっちの方が拷問として効果的じゃないの。続けるわよ>


「待て!待て!!」


「あっそうだ!!そんな感度の上がっている状態でやり過ぎたら私は過剰な痛みのせいで死ぬかもしれないぞ!」


「そうしたらお前は何も情報を聞き出せない!何か他の手段を取るべきじゃないか!?」


<大丈夫よ。長年の実務経験で飲ませる薬の塩梅と死なせない実技の加減ばっちりだから>


「実績と自信がある!!こいつの拷問受けたくない!!」


<喧しいわね貴女。というか嫌なら早く軍の作戦内容なり兵糧事情なり吐いてくれればいいのよ?>


「それも嫌だ!そんなことしたらまた仕事が無くなる!ただでさえ金欠なのに……」


<理由が俗物過ぎるでしょ。嘘でも騎士の誇りに掛けて主君を裏切れないとか言いなさいよ>


「悲しいけど、誇りで腹は満たされんのだ」


<とんでもなく正直な上の口ね>


「シモはもっと正直だぞ恐怖で漏らしそうだ」


<騎士が下とか言うんじゃないわよ>


<なに?というか貴女本当に騎士?ちょっと怪しくない?>


「失礼な!私は確かに騎士としての教育を受け務めを果たしていたぞ!」


<今は?>


「今はまぁ、その、一国に縛られず、各地に騎士としての在り方を教示している最中というか」


<じゃあ傭兵じゃないの>


「煩いな!心は騎士のままなんだよ!!」


<まぁ、貴女の心の在り様はともかく……外様の傭兵なら大した情報聞かされてないかもしれないわねぇ>


「そうそうそうその通りだ。私を絞り上げても何も出ないぞ」


<まぁやるけど。実入り少なくても上から任された業務だし>


「真面目過ぎるだろうもっと肩の力抜いて仕事をしろ!!」


<……あ、ちょっと待って>


「え?」


<……>


「…何をしているんだ?目をつぶって頭に手を当てて」


<…………承知致しました。では、そのように>


「うん?誰と話している?」


<上司から“念話”があったの。それで、向こうの軍と捕虜交換するんだって>


<目録送られてくるから、貴女への拷問中止。よかったわね>


「よっっっっしゃあぁぁ!!!ぁぁ!!今日はいいもん食うぞ酒飲むぞ!!」


<山賊みたいな喜び方>


<もっとこう、愛する人や家族に戦友にまた会えるとか、そんな喜びはないの?>


「私、恋人も家族もいない。後仕事場ではずっとぼっちだったしな」


<守る者が何も無いわね。もう騎士道から大分外れてる気がする>


「ふん。そんなことは細事よ。騎士とは主君に対して心からの忠誠を誓うことが一番の役割だ」


「ただまぁ私は戦場毎にその主君が替わるけど」


<淫魔より尻軽じゃない?>


<……あ、また上司から“念話”……>


「おっ、もう解放か早いな」


<………え?ああ、そうでしたか。はい、承知致しました。はい>


<………>


<…………うーん………そっかあ……>


「で?解放はいつになりそうだ?」


<あー………それなんだけど………>


<あっちの軍がさ。正規兵優先するから、傭兵は交換しないって>


「えっ」


<………>


<……まぁ、仕事終わったらお酒位はあげるから>


「洗いざらい喋ります」



──────────

───────

─────



<……以上が話してくれた情報になります。詳細はこちらの書類を>


ふむ、ご苦労様。此度の報酬を楽しみにしておいてくださいね。


<ありがとうございます>


しかし、随分手間の掛かることをしましたね?


<……そうでしょうか?>


わざわざ“念話をするふり”をして、来てもない捕虜交換の話をでっちあげて、結局無かったことにする。尋問の類には明るくありませんが、随分回りくどい様に思いますね。


<お言葉ですが、それ位は手間の内にも入りません>


<それに、向こうから全く捕虜についての話が無いので正規兵も傭兵も見捨てられたのは事実かと>


それを直に伝えてやれば良かったのではないですか?


<敵であった者から突然その様なことを告げられても信じません。回りくどく自然に教えるのが良いのです>


<彼女が孤独な傭兵であったおかげで情報もすんなり引き出せて、幸運にも血を流さず、悲鳴を聞かずに済みました>


<………ちょっと好みでしたので、ベッドで上げる悲鳴は聞いてみたかったですが>


淫魔ですねぇ。


<淫魔です>


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