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#0 プロローグ

 窓辺に立つ一人の男。


 張りのある血色のいい肌。優雅に整えられた輝く白い髪。すらりと均整の取れた体躯で、その身は上品な白いスーツに包まれている。スーツは光沢のあるしなやかな素材で、宇宙船のパイロットスーツのようなデザインをしており、その上から男の肩にかかるマントが、華やかさとどこか妖麗ようれいさを醸し出していた。


 男の視線の先には、壁一面の窓を通して陽光に照らされた大パノラマが広がっている。まるで天空を突き刺すかのように尖った形をした高層の建造物が並び、はるか眼下に街並みのようなものが見える。時折上空を飛行艇が旋回し、静かにその軌道を描いていた。


 男は口元に笑みを浮かべ、目の前に広がる景色をでるように眺めていた。その表情、態度、身のこなし、男の全てに自信が溢れているようだった。


 ティルルル……


 男の手首に巻かれたメタリックな端末が呼び出し音を発した。


「キーロィ、今日はどうするんだ?」


 親し気な若い男の声が端末から聞こえてきた。いつものゲーム・ベッティング(賭け)の誘いだった。キーロィと呼ばれたこの男が戯れに始めたゲーム・ベッティング、一部の者には人気があり連日盛況のようで、この若い声の主も常連の一人だった。

 しばらく黙って考え込む男。正直、彼自身は自分が始めたこのお遊びにそろそろ飽きていた。彼が断りの言葉を選んでいると、端末の若者が言葉を続けた。


「今日は珍しく新人ルーキーが出るらしいぞ」


 ──新人か……


 その言葉を聞き、男は自分の心にかすかに興味がわきたつのを感じた。端末に向かって参加する旨を伝えると、男は窓際を離れゲーム・ベッティングルームへと足を向けた。


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