石の意思編
「わー、まじで暇」
『それを聞くと毎回『まだ先は長いですよ』と答えていましたが、確かに暇ですね』
「あー、メナも認めちゃうか」
『前なら暇でも何か出来ることはありましたが今となると積み石くらいしかありませんね』
「おー、いい考えじゃん。積み石、やろうかな」
・・・
「最初に1番力持ちなベン。次にサーラ。ミック、ナティー、マイク、ルーク、アンナ、ダイアナ、ジャック、」
『まさか暇すぎて石に名前を付け始めるとは思っていませんでした』
「ケビン、ヨハン、ケイト、ザック、マーティン、ロバート、」
『ワタシの名前は付けないんですか?』
「...。メナはあなたのために考えたからダメ」
『ポッ』
「実態がないのに頬を赤く染めないで。それに今後技術が発達して物の考えが読めるようになった時に石が「俺マイク、よろしくな」って言ったら面白そうじゃない?」
・・・
「ヒルダ、うーん、オリバー、...あ、フィリップ、...、...リーナ、」
『いつまで続けるんですか?』
「自分の名前がわかるまで」
『忘れてしまったのですか!?』
「うん、時と場合によって名前を変えてたし...。本当の、親がつけてくれた名前を思い出すまで」
『......』
・・・
「よし、完成」
『まさか今まで名前を付けてきた石たちが活躍することになるとは思いませんでした』
「立派なかまくらになったね」
『石でできているのでかまくらと呼べるかは謎ですが。更に少しの振動で壊れてしまいそうです』
「いーのいーの。酸性雨だけ防いでくれればいいから。さ、もうやることがないし冬眠しよう!」
『数十年寝ることを冬眠って言っていいんでしょうか』
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