ハレー彗星編
「次ハレー彗星が地球の周りを通過するのはいつ?」
『あと47年後でしょうか。どうするつもりですか?』
「ハレー彗星に乗って太陽系を旅しようかと」
『その前に大気圏を突破する必要がありますし、その後狙ったところに彗星が来る確率はとても低いです』
「でもナナは何億人もの人の中から私を選んだんでしょ。運はいい方だと思うよ」
・・・
『もう来ますよ』
「うん、見えてきた」
『ハレー彗星との衝突まであと3、2、1、今です!』
「やった!いけた!」
『まさか本当に乗れるとは』
「ね、私も思っていなかったよ」
『あっという間に地球が遠くなっていきますね』
・・・
「おー、あれが木星か〜」
『はい太陽系の内側から数えて5番目の惑星、太陽系一の体積と質量を誇ります』
「へー、地球が終わっても他の惑星はお構いなしだね」
『お構いあると思いますよ。地球の質量がおよそ3倍になったので公転しながら遠心力で太陽から離れていき運が悪ければ激突しますからね』
「ありゃ」
・・・
「お!あれが地球だよね?」
『はい、そうです』
「懐かしい!あまり変わってなさそうだけど」
『いえ、計算によると空気中の酸素が約0,07%ほど増えています』
「それは微々たる差って言うんだよね」
『ですがまだ酸素があるので多細胞生物が生まれる可能性が高くなりました』
・・・
「バイバイハレー彗星くん!また会おう!」
『あなたはハレー彗星を見た回数が世界で1番多い人ですね』
「まあね。あ、でも天文学者とかには負けるかも」
『確かにそうですね。では言い換えます。あなたはハレー彗星を見た時間が世界で1番長い人ですね』
「それはそうだね。地球を始点として太陽系を一周して地球にまた戻るまで人の生涯と同じ長さがかかるもんね」
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