地球の危機編
「あー、ちょっとやばそうだよね」
『やばそうですね』
「これ、あの隕石が地球にぶつかったとしたら生物の生存確率ってどれくらい?」
『生存確率、つまり地球の生命が絶滅しない確率は高いですよ。ただ、その後の世界に人間含め哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類といった見知った生物はいなくなりますね』
「やっぱりか。ちなみに生き残るのは?」
『よくてバクテリアでしょうか。ウイルスとかも生き残りますが、寄生する対象がいなくなるので近いうちに半数以上が消えますね』
・・・
「やっぱり落ちたね、隕石」
『落ちましたね、隕石』
「でもまさか地球がほぼ真っ二つになるとは思っていなかったよ」
『どうやら計算よりももっと密度が高く、さらに重さも想定以上だったらしいですね』
「でもまさか衝撃で大気圏外まで飛ばされるとは思っていなかったよ。地球の終わりを傍観するなんて」
『よく生きていますね』
「不老不死って便利だね。ただ痛みはあるから早くちぎれた四肢を見つけてくっつけないと」
・・・
「今ほど月があることに感謝することはないと思うよ」
『不時着できてよかったですね。でないと文字通り宇宙の藻屑となるところでしたよ』
「月から地球を見るとこんなに大きいんだね」
『はい、ですが例の隕石の衝突により地球が押され、月に近づいたのでそのせいでしょうね』
「夢のない事言わないでよ。そうだ、あとあの有名なセリフ言わなくちゃ」
『なんでしょう』
「地球は青かった」
『ユーリイ・ガガーリンですね。しかし今は地球の大気が砂埃や煙、スモッグなどで汚れて見えるので灰色に見えますね。この場合「神はいなかった」と言う方が状況にあっています』
「そりゃ今人類が誰一人いないんだったら唯一生きている私が神に最も近いから、多くの死んだ人を敵に回すけど神は私だもん。神が周りを見渡しても神はいないよ」
・・・
「なんかこの前よりも地球が近づいてきてない?」
『そりゃそうですよ。地球の重力と月の重力で2つが引き寄せあっていますから』
「もしかして衝突する?」
『このままいけばそうなりますね』
「まじか。潮の満ち引きは生命の誕生に大きく貢献しているのに」
『今の地球に海があるかは不明ですけどね』
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