全ての始まり/歌手編
普段の花言葉をテーマにした詩とは打って変わったものを書いてみました。よろしければどうぞ。
「ねえあなた」
「え?誰?」
「私は...。うーん。あ、そういえば名前がなかったわ。まあ、じゃあ名無しからとってナナにしようかな」
「はあ、で、何の用です?」
「あなた、不老不死に興味はない?」
「は?」
「ある?ない?」
「まあ、どちらかと言ったらありますね」
「よかった〜。あなたを今から不老不死にすることが出来るけど、どうする?」
「え?これ何かのドッキリですか?」
「いえいえ、真面目よ。大真面目よ」
「不老不死...。何か他に特殊能力とかありますか?」
「特殊能力?例えば?」
「例えば...運動神経の向上とか...」
「あー、なるほどね。いいよ、おまけでつけてあげる。どういうのがいい?」
「じゃあ身体能力を上げてください。ひとっ飛びで家の屋根にのれるくらいの。あと体力。言語の理解...はどうしよう。いや、全言語が理解、もちろん話したり読んだり書いたりできるように。あとはお金。お金が尽きることのない銀行口座をください。あとは...不老不死ってことは孤独ですよね。じゃあSiriみたいな話しかければ答えてくれるような物を私だけが聞こえるようにお願いします」
「結構多いのね。いいけど。じゃあこっちにおいで。はいチュ!」
・・・
「そういえば今更だけどさ、あなた名前ってあるの?」
『ありません』
「私がつけてもいい?」
『はい』
「そうだな〜。あなたも名無しなのね。ななし...No name、ノーナメ、eman on、エマンオン...。うーん」
・・・
「ねえメナ、こっから東京まで何キロ?」
『9070kmです』
「歩いたら何日かかる?」
『1時間で5km、24時間で120kmなので約75日ですね』
「そっかー。じゃあ私の足だと?」
『1週間です』
「じゃあ間に合うかな」
・・・
「うえーん!」
『...』
「ちょっとメナ、少しは心配してよ〜。ぐすん」
『ドウシタンデスカ』
「あのね、私の好きな歌手がね、死んじゃった〜。う、う、ズビビ」
『知っていますよ。コンサートがあるたびに日本に行っていましたからね。ですがもう80超えていましたよね』
読んでいただきありがとうございます。こんな感じで続いていきます。