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『狂人のふり、の思想』・・・第一話

『狂人のふり、思想』


一、



世界はとにかく生きづらい。自分の価値観が通用しない。人々は何か手をこまねいている。

ダークな音調が耳を塞ぐ。およそ何百年も前に作られたであろう、群衆の土地の悲鳴だ。

怖さを振り払うには、大敵に対して狂人のふりをすれば良い。怖くて逃げだすだろう。


恐怖とは、自己思想が世界に否定される時の感情を言うのだ。自己肯定の上に恐怖はない。

幼いころから自分は夜が怖かった。今は、朝が来ることを知っているから安心している。

悪いやつが近づいて来たら、狂人のふりをするんだ、自己肯定のためにね。簡単だ。



ささくれた神経のマヒも、脳髄が周囲を壊して脳の血管が詰まらない様にしないとな。

だから、口論は極力避けてるんだ。長生きのためにね。その為には狂人のふりもする。

そうすると、ああ、こいつはこういうやつだ、と他者に規定されて、無理な会話免れる。


死にたいなんてもう言わないことにした。現に死に恐怖を覚えてる人がいるんだから。

生きていること、正常に生きていることがどれだけ在り難いか早く知るべきだ。自分は。

力説はあてにならない。するのもされるのも嫌だ。人間はただ、理解するだけだ、目の前の現象を。



遠くから声がしたような気がしたが、これが空耳だったら、恐らく自分は狂人の範疇に入る。

お前を殺す、お前を殺すって、入院中に聞こえたんだ。とても怖かったよ。いつ襲われるか。

だから、狂人のふりとは言え、一度狂人だったから、ふりができるんだ。ある意味狂人でない狂人。

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