無形の刃
ぎらりと煌く思考
鋭く尖った文字列
私は、殺意を抱いている
刃物は怖い
切れる
肉が裂ける
血が流れる
果ては、死ぬ
だから極力触りたくない
怖いからだ
しかし今
私は刃物を欲している
血も流れず
肉も裂けない
それでも鋭く
相手を切り裂く
”言葉”という刃を
”殺意”という切れ味を
私は欲している
きっと誰もが心に忍ばせ
いつ繰り出そうか伺っている
無形の刃
誰かがとん、と背中を押せば
構えた刃は口から飛び出し
相手の胸にぐさり、と刺さる
涙と言う名の血を流させて
私はきっと、悦に浸る
そんな機会を、待ってしまう
私は殺意を抱いている