大津の情報~合同~
佐々木刑事は集めた情報を持って警視庁に戻った。他の刑事たちも佐々木刑事と同じように個々で集めた情報を持ち寄り他の人が集めた情報聞きたがっていた。そこに葛西係長が現れて
「よし、一人ずつ集めた情報を話してくれ。まずは佐々木から」
と佐々木刑事の方を向いて言った。佐々木刑事は大家さんと近所の人から得た情報を話し、大家さんだけ他の人との意見が違うということに違和感を覚えたことを述べた。佐々木刑事の話が終わると葛西係長が指名していきその呼ばれた人が話をしていった。全員の話を聞いていく中でほぼ皆が大津の住んでいたアパートの近所の住人が話をしていた良い人ということに類似しているように佐々木刑事は感じた。そう言った話を聞いて集めた情報がすべて共有され、葛西係長が声を上げた。
「多少例外があったが、重要参考人である大津はあまり悪い人とは判断することはできない。そういう旨を群馬県警に伝えてもらうように手配する。それでいいな。」
葛西係長のその言葉を聞くと皆、
「はい」
と声を上げて解散していった。その場にいた刑事たちが全員いなくなってから葛西係長に佐々木刑事は話しかけた。
「では、輾隹捜査一課長に報告しに行ってきます。」
「私も行くから少し待ってくれ。この事件について聞きたい部分がたくさんあるしな。」
「分かりました。準備ができたら言って下さい。」
そのように言うと佐々木刑事も他の刑事と同じように部屋を出て行った。
ノックして捜査一課室に佐々木刑事と葛西係長は入った。輾隹捜査一課長は椅子に腰を下ろしていて二人が来るのを待っているようだった。佐々木刑事が早い段階で口を開けた。
「捜査一課長、大津のことに関して聞き込みをしたところ現時点で悪い人と言えるような意見は出ておらず本当にに事件を起こすような人とは思いませんでした。」
「そこでなんですが、群馬県内で起こった大津が関係するという事件について教えていただけませんか。もし未だに群馬県警の方から入っていないのならば問い合わせて頂きたく思います。」
「実はまだ群馬県警の方から情報は入っていなかったのだが、地方新聞の一面で報じられていたので読んでみたんだ。その記事によると被害者は北川沙織で地元の会社に勤めていて死因は胸を刃物で刺されたことによる刺殺。凶器の刃物は近くの公園の公衆トイレの多目的トイレから発見されたとのことだった。」
輾隹捜査一課長が話をしているところで部屋の電話が鳴った。どうやら内線電話らしい。失礼、と言うと輾隹捜査一課長は電話を取って報告を受けて分かった、と言って電話を切った。
「佐々木、葛西、話に出てた大津が殺された。」




