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佐々木勲警部補と事件たち  作者: 渡部遥介
白い白鳥殺人事件
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驇織有佐の写真と武田の隠すもの

葛西係長の電話の後、ジップロックを手に持った佐々木刑事は武田の家を忍者が隠れるように外へ出て行き、警視庁のある千代田区へと向かった。警視庁に行く間、佐々木刑事はこの持っているジップロックの中に入っているおよそ十五点のものはどんなことがまた何か事件に繋がるものなのか脳裏に色々浮かびは消えるということを繰り返していた。今この場でジップロックを開けてどんなものがありそれは何なのかと知りたいという衝動に狩られたが、これは公の場所で開けて調べるべきものではないと思い止まった。

佐々木刑事が警視庁に到着すると入り口にある指名手配犯のポスターが目に入った。そのポスターは十年ほど前に起こった強行犯たちのものだった。その中でも一番懸賞金が高い男は顔がいかにも犯罪者感が出ており顔の写真の下には嵐咲唯汰ランザキユイタと書かれ、その下の罪名の欄には強盗殺人・殺人と書かれていた。佐々木刑事は本当に捕まるのかと半信半疑な感情を抱いたものの足を止めるわけでもなく自分の係の部屋へと足早に歩いていった。

佐々木刑事の係の部屋に佐々木刑事が着くとそこには誰かがいたわけではないが、葛西係長が資料を見てあわてて出て行ったように散らばっていた。電気はつけっぱなしにしてあり資料も散らばってあり窃盗に入られた直後の住宅のようになっていた。佐々木刑事はまず葛西係長の机の上に散らばっている資料を片付けようと思い立ち、ファイルの中に並んでいる順序に合うように資料を入れ始めた。佐々木刑事は資料を入れつつも内容に目を通しこれからの捜査に役立つ情報を収集した。佐々木刑事は資料をすべてファイルの中に入れ終えると、事件の捜査資料が入っているファイルの棚に戻した。ファイルを棚に戻し一息つくと、佐々木刑事は武田の書斎から押収した物品をジップロックから取出しながら自分の席に座った。佐々木刑事がジップロックから取り出したものは葛西係長たちと一緒に見たSDカードと同じ形式のSDカードが主なものでその他に武田の直筆と思われる紙も出てきた。その紙には私には殺される可能性があると殺されることを元々知っていたような文章が書いてあった。文章の内容から武田の遺書ともまた犯人による偽装工作にも捉えることができた。ただ、武田本人によるSDカードの隠され方、隠されていた場所など犯人ではなく武田本人が隠したような隠し方であったため、佐々木刑事はすべて武田本人が書斎に隠したものなのではないかと推測した。

 突然、佐々木刑事のポケットから着信音が鳴った。ポケットから佐々木刑事が携帯電話を取り出すと、葛西係長からメールが届いていた。そのメールを開けてみると、“今劇団を出た。これより本庁に戻る。得た情報は部屋で話そう。”とすべてが短文で必要な情報しか書かれていなかった。佐々木刑事は葛西係長に何を言うべきか頭の中で整理しているとまだ武田の書斎から押収したSDカードの内容を確認んしていないことを思い出した。慌てて机の上に置かれたパソコンの電源をつけ、画面がディスクトップの状態になることを待った。一二分してパソコンが完全に立ち上がると押収したSDカードを右側にある差込口に入れた。SDカードのデータをパソコンが読み取り表示するまでは電源を入れてからディスクトップの状態になるまでよりの時間を要しなかった。パソコンの画面にデータが表示されると佐々木刑事は笑みが漏れた。他のSDカードのデータも同じようなことが起こった。それには理由があり、読み取ったSDカードすべてにデータが何もなかったのだ。佐々木刑事の笑みと言うのは苦笑いと言うことなのだ。佐々木刑事はSDカードをすべて見終え、葛西係長への報告するべき内容が頭の中でまとまった。

 

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