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佐々木勲警部補と事件たち  作者: 渡部遥介
白い白鳥殺人事件
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武田伸之の死因

 武田伸之が死体として発見された日から一日経ち、検視官の木村佑樹が一通の封筒を持って葛西係長、佐々木刑事の下にやって来た。「こちらの封筒に武田伸之の検視結果を入れてあります。では失礼します。」葛西係長に封筒を渡すと木村検視官は一礼して部屋を出て行った。佐々木刑事はすぐに葛西係長のもとに駆け寄っていき、早く結果を見たいというように見えた。それを見分けたのか、葛西係長は封筒の封をすぐに開け中身を取り出した。中には三枚紙が入っており、一番上から“身体に付着していたもの”、“武田の死因”、“木村検視官からの見立て”だった。

 恐る恐る一枚目を見ると太い文字で“皮膚や爪に繊維片が付着”と書かれており、その下にどういった種類のものでできているかなどが書かれていた。基本的には市販の手袋のうちの一つが付着しており、それが一種の事件解決への鍵であるとのことが分かった。

 事件のキーポイントである死因について書かれている二枚目は太い文字での題名のようなものはなく、そのまま死因に直結する内容が書かれていた。その紙には死因が窒息死で、胃の中から武田が服用している睡眠薬を飲んだという形跡が見つかったとも書かれていた。また肺からは二酸化炭素が多く検出され、大呂の二酸化炭素を吸引したことが原因の死亡と推定されるとも記載されていた。つまりドアノブで首を絞めての死亡ということではないのだ。

 三枚目には一枚目同様太文字で“私の考察”と書かれてあり、紙を埋め尽くすくらい黒くなっていた。木村検視官も検視結果を踏まえて睡眠薬を飲ませたうえでビニール袋等の密閉された空間をつくり二酸化炭素を充満させて殺害後ロープを使って自殺に見せかけたという推測をした。佐々木刑事も葛西係長も考えられる手であったのでその意見も参考にしつつ捜査を進める方針で輾隹捜査一課長のところへと向かった。

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