劇に秘められた思い
佐々木刑事は渡部嘉実に「こっちが楽屋だよ。」と言われ、ついて行くとそこは楽屋だった。そこには誰が今回の公演の練習に招待したんだ。よろしく!」と二十三歳には見えない話し方をした。佐々木刑事は大俳優とかの先輩の中でも先輩に敬語ではないことに驚きを越えた感情を抱いた。「よし、じゃあ練習始めようか。」笑顔で嘉実は役者に言った。
ホールに移動した佐々木刑事と嘉実は席に着き、役者たちは舞台や舞台袖に移動した。嘉実は演出家も兼ねているらしい。「有佐ちゃんからいいよ。」嘉実が言うとまだ成人していなそうな女性が舞台に出てきた。するとその女性が踊り始めた。「これはアシガリウの海という舞台なんだ。」
佐々木刑事が舞台を全部見終えると、嘉実が「今回の舞台は白い白鳥オリジナルの脚本なんだ。この舞台には”世界は広いんだ” ”色々な人がいる”と感じてほしくて作ったんだ。」と言った。佐々木刑事は職業柄考えることが殺人だったり、強盗だったり、あまりイメージの良くないことが基本なので尊敬の影が佐々木刑事には見えた。
佐々木刑事がボォ~っとしていると嘉実が「公演の初日に見に来るかい?」と言ってきた。練習だと修正の声が飛び交うためお話が大まかにしかわからない。佐々木刑事はいい提案だと思い、「じゃあお言葉に甘えて…」と言って初公演のチケットを佐々木刑事はありがたく嘉実から受け取った。




