思い出の再会
秋の終わり、佐々木刑事は劇団「白い白鳥」に来ていた。最近腕を上げている劇団のひとつだ。その劇団に佐々木刑事の高等学校の時の同級生が脚本家として所属しているのだ。その友達に新しい劇を見て欲しいと言われ、公演の始まる前に来たのだ。
公演が行われるのは都内の鬨俵市にある「白い白鳥ホール」だ。外見は和と洋が入り混じった感じだ。佐々木刑事がホールの扉を開くと眼に映るのは大きなシャンデリアのみだった。
受付で「身分を証明できるものはございますか?」と聞かれた。佐々木刑事はそれという物を持ち合わせていなかった。唯一持っていたのは警察手帳だけだった。仕方なく警察手帳を見せると、「何の調査ですか?うちの者が何か警察にお世話になるようなことをいたしましたか?」と何だか口調が丁寧ぶっていく。「ここに所属の脚本家、渡部嘉実君に招待されただけです。」佐々木刑事は受付の人を落ち着かせるように落ち着いて喋った。「招待客様ですね。」と佐々木刑事に飲み込まれたように落ち着いて話し、席を立って楽屋らしき賑やかなところへテクテクと歩いていった。数分経って受付の人と共に背が高く、髪は茶色ががかっている二十代前半くらいの男性が歩いて来た。「ようこそ、白い白鳥ホールへ!」その男性が歩きながら言った。「久しぶりだね、ヨッシー」佐々木刑事は馴れ馴れしく彼をあだ名で呼んだ。「そろそろ練習が始まるよ。さあ、Let's go!」




