ど?-598. きっと疲れてるんだよ
君はね、疲れてるんだ。……と言う感じな気分?
相変わらずのレム&アルーシア
「や、止め――くはっ!?」
「……?」
「っ、はぁはぁはぁ……ゆ、夢か」
「……(じー)」
「あ、アルア。お早う」
「……(こくん)」
「――ふぅ。それにしても酷い夢だった。な、何だったんだあの夢は――!!」
「……(じー)」
「ん?」
「……(じー)」
「ああ、アルア。もしかしてどんな夢見たのかとか、興味あったり?」
「……(こくん)」
「あー、出来れば思い出したくもない……とも言えないかもしれない夢なんだがなぁ」
「……(じー)」
「そこまでアルアが熱心なら仕方ない。とは言っても内容自体で言えば大したものじゃないんだけどな」
「……?」
「ゃ、まあ……一言で言うと、俺が襲われる夢?」
「……?」
「って、それだけじゃ何の事だか分からないよなぁ」
「……(こくん)」
「う~ん、何と言えば良いか……アルアには未だ早い、大きくなれば分かるさきっと――とかじゃ、駄目?」
「……(ふるふる)」
「て。まあ、うん。当然駄目だよな、やっぱり」
「……(こくん)」
「あのな? メイド服着た強面(無表情)さんが俺の事をじっと見つめながらこう言うんだよ、『――旦那様、裏切りましたね?』とか何とか。大体俺の夢の中にまで出てくること自体、お前何様だって感じな訳だが、いや現実だろうと夢だろうと怖いものは怖いのですよ?」
「……?」
「あー、アルアには分からないかねぇ。アルアは、と言うか基本俺以外は優しくされてるっぽいし」
「……?」
「あ、あれ? そう言えばいつからだろ? 初めのころはあいつももっと、あんな感じじゃなくってもっと俺に優しかった気が――いや待て、トチ狂うな俺。あいつは前からあんな感じだった、間違いない」
「……(じー)」
「っと。まあ、何だ、アルア? そんな感じで無表情のメイドさんがナイフ腰に構えて突撃してくるんだよ。んで俺は必死に逃げ回る訳」
「……(こくこく)」
「え、その情景が目に浮かぶようだって? いや、うん、マジで脳裏に浮かびますけどね」
「……(こくん)」
「まあ、そんな鬼ごっこに戯れてても基本、相手方の方が運動性能はいい訳で、俺は追いつめられるんだよ」
「……(こくこく)」
「んで、壁際まで追いつめられた俺は必死にこう言う訳だ、『待て、誤解だ! 俺が愛してるのはお前だけだ!!』ってな? ……例え夢の中だとしても俺、何様よって感じな訳だが。いや、頭のネジ吹き飛んでんじゃないのか、俺。自分の夢ながらさ」
「……(こくん)」
「や、まあ、俺は別に頭おかしかったりしないけどな!」
「……?」
「そこで不思議そうな雰囲気を醸し出さないでくれ、アルア。いや、俺の勘違いかもしれないけど。むしろ俺の勘違いだよね!?」
「……いえす」
「ほっ、良かった」
「……(こくん)」
「ま、まあ。そんな感じで俺が必死に叫ぶだろ? そうするとあいつ、こう言うんだ。『ソレが何か?』って。無表情で、しかも平坦な声で。――怖っ、つか怖い以外の感慨なんてないだろ、アレ」
「……(ふるふる)」
「――……まあ良いよ。どう思うかはヒトそれぞれだしな。んで、俺がこう、『待て! いいから早まるな!』って感じに言おうとするんだが、それより先にあいつが向かってきて、俺に、……」
「……(じー)」
「これ以上は言わなくても分かるだろ? 擬音で言えばグサって感じな?」
「……(こくん)」
「んで、あいつが耳元で――『これで旦那様はもう私のもの……』とか何とか言いやがって! ……まあそこで目が覚める訳だけどさ。どうだ、酷い夢だろ、コレ?」
「……(じー)」
「と。まあこんな感じにあいつが如何に悪逆非道なのか分かってくれるか、アルア?」
「……」
「な?」
「……(こくん)」
「そうか、分かってくれるか! あいつがしてる酷い仕打ち……とはいっても今回は俺の夢の中だけど、つか思い出すとムカついてきたな、おい。何で俺の夢なのにそんな所まであいつに出くわして、しかも訳分からん理由で俺が刺されなきゃいけない訳だッ!!」
「……?」
「――っと。いや、待て俺。少し落ち着くんだ、アルアの前だぞ?」
「……」
「――ふぅ。アルア、悪かった。今のは忘れてくれ。自分で自分が作った妄想話に腹立ててりゃ仕方ないよな」
「……(じー)」
「ん? どうした、アルア?」
「……作り話?」
「? ……、――ぁ」
「……(じー)」
「いや、何でもない。何でもないからな、アルア。決して、今の話は今俺が即興で作り上げ……いやいや、何でもない。まあ酷い夢だった訳だ、これが」
「……(じー)」
「な、何だよ、アルア? もしかして今の俺の話を信じてないのか?」
「……(じー)」
「あっ、……あぁ! そう言えばもう朝食の時間だなー。アルア、おなか減らないかっ!」
「……(じー)」
「あ、アルアさん……?」
「……(こくん)」
「だ、だよなー。ほ、ほら、アルア。もう朝ごはんの時間だし、俺の夢の話なんてどうでもいいからアルア、早くご飯食べに行こうぜ?」
「……(こくこく)」
「じゃ、アルア。俺は着替えてから行くから。先に言っててくれる?」
「……(じー)」
「俺もすぐ行くから。な?」
「……(こくん)」
「じゃ、アルアは下の食堂で待っててくれ」
「……(こくん)」
「――……駄目だ。つか、アレは何だ。俺の願望? いやまさか。俺はなんつー夢を見て、と言うか何、俺があいつを襲っちゃってるわけ? え、もしかして俺って欲求不満? ま、まさかー、それにそもそもあいつが俺の夢に出てくる時点で何か色々と違うだろ、こう、洗脳的な雰囲気とか、…………あー、ヤベ。思い出したら無性に、」
「……?」
「――何でもないぞ、アルア! ほら、すぐ行くから。いや本当に何でもないから、何でもないですからねっ!!」
「……(こくん)」
「……余計なこと考えるのは止そう。うん、俺はきっと疲れてるんだ、そして色々と憑かれてるんだ。そうに違いない。無心だ、無心に成れ。こう言う時こそ悟りを開くんだ、俺! ……――そろそろ行くかー」
あと二回です。二回で……600?