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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o 女の子とご主人様と神狩りと
986/1098

 CC. 五人目

基本、“記外”は戦闘向けの能力じゃありません。


「同志レム、重要な話があります」



「重要な話? ああ、アルーシア同盟の規約についてとか?」



「それは大変重要ですが、少し違います」



「じゃあなんだよ?」



「はい。私達の条件の違いについてです」



「俺達……条件の違い?」



「はい。同志レム、貴方はアルちゃんと常に一緒にいる、だと言うのに私は違う。この差は如何ともしがたいものだと思うのです。独り占め反対、独り占め良くない」



「ふははっ、存分に羨ましがるが良いッ!!」



「――そこで提案なのですが、“外の理”を同志レム、貴方に憑けては駄目ですか?」



「断る」



「……何故でしょう?」



「や、“外の理”ってアレだろ、『感覚共有』」



「流石は同志レム。説明する必要もなく知っていましたね」



「まあ、一応十二使徒の能力についての知識は一通り頭ん中に刻まれてるしな。――んで、もう一度言うが“外の理”の件は断る。あんなものされたらプライバシーも何もないじゃねえか」



「プライバシー……そのようなものは同志レム、貴方のプライドと一緒に世界の外へと捨てては如何ですか?」



「ヤだよ。つか何故プライドまで捨てる?」



「それは貴方が今から恥をかくからです――同志レム」



「恥? 俺が? ……ふっ、言っちゃ悪いが並大抵の事で俺に恥をかかせられると思うなよッ!!」



「……何故に涙目なのですか?」



「かつての悲惨な日々が……ではなくて。別に何でもないっ。これは汗だ、心の汗!」



「――そうですか。無理には聞きません。同志としての情けです」



「……そうしてくれると助かります、はい」



「では同志レム、お互いの立場は認めましたし、敢えて言うような恨みごともありません――ですが、」



「……ですが? 何だ、同志リーゼロッテ。まさか俺と戦る気か?」



「いいえ? 生まれてこの方一度も争った事のない私が、正面からやり合って私が貴方に敵うとは思っていませんから」



「正面から――、つまりは搦め手でくる、と?」



「ええ。搦め手はあのお方の使徒の最も得意たる分野ですからね」



「……搦め手も何も使徒っつーヤツらは全員が全員、卑怯過ぎる能力しか持ってないけどな」



「そうですね。少なくとも小人族――いえ、私達妖精族や、仮に龍種から見てもその通りでしょう」



「ああ。――と言うか、同志リーゼロッテ……本気で俺とやる気か?」



「例え勝ち目の薄い戦いだとしても、ヒトにはやらねばならぬ時と言うのがあります。――同志レム、貴方ならばソレが分かっているでしょう?」



「――ああ、そうだな」



「つまりはそういう事です」



「……つか、今の状況は『やらねばならぬ時』とかに含まれるのか?」



「――だって! アルアちゃんといつも一緒とか、羨ましいじゃないですか!!!」



「オーケー、分かった、同志リーゼロッテ、お前の本気は痛いほど伝わった。そういう事なら仕方ないな。俺も腹をくくろうか」



「――同志レム」



「けど、多々単純に戦り合うってのも詰まらねえよな。お互い何か条件つけようじゃないか」



「……条件?」



「そうだな……お前は勝ったらアルアと一緒にいる権利を得る、んで俺が勝ったらお前は俺の奴隷になる――ってのでどうだ?」



「……私の方が条件が軽い気がしますが?」



「そか? じゃあお前が勝ったら俺がお前の奴隷になると言う事で」



「その条件で良いでしょう、呑みました」



「よし、――後でやっぱり止め、とか言っても無駄だからな?」



「それはこちらのセリフ――既に戦いは始まっていると言う事を忘れてもらっては困ります、奴隷レム」



「いや、まだ俺負けてないし……」



「遅いか早いかの違いです」



「いや、……と言うか、俺の方もリーゼロッテを奴隷にしたら何してもらおうかねぇ?」



「えっちぃのは多少までなら許します、性欲魔人」



「……多少ってどのくらい?」



「――好機!」



「なっ!? 卑怯な、つか今のは陽動か!!」



「――ぁぅ」



「……」



「い、いつの間にこんな所にブービートラップを、」



「いや俺何もしてないし。つか何もない所で転んだのはそっち」



「……」



「……」



「……」



「ふっ、この勝負、勝ったな」



「未だ私はやられていませんッ!」



「いや、――結果はすでに見えている」



「ただ一度、何もない所で転んだくらいで勝った気にならないで下さい。あんなのはよくあることです!」



「あ、よくある事なんだ」



「一日に三回くらい……よくあることですよね?」



「あー、まぁ、ヒトによっては?」



「――と、言う事で良い気になるのもここまでです、奴隷レム」






「…………そうかー、と言うよりリーゼロッテ、ドジっ娘かー。いや、記外おにんぎょうも変われば変わるものなんだなぁ」






◇◆◇






「ど、同志レム。この勝負は預けておきます」



「……そうだな。つか俺は何もしてないし」



「ええ、その通りです。私は未だやられていませんから」



「あー、まあそれは良いとして。同志リーゼロッテよ」



「……何でしょう、同志レム」



「折角なんだ――『アルーシア同盟』の結成を記念して、お互いぱっと騒ごうじゃないか! 色々と語りあったりさっ」



「成程、それはいい案です、同志レム。私もアルアちゃんの事について、色々と知りたいですし」



「そうだなっ! 俺も色々と自慢話を語ってやるぜっ」






「……!(ふるふる)」





二人は、全力で首を横に振っている赤い少女の事は無視――と言うか、その姿すら微笑ましい様子で眺めていたそうな。




昨日は遅れましたー。何か非常に身体がだるく……コレは昨日分なので、夜にはもう一話あげる予定です。


以上、むふー。

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