ど?-596. 好き、好き?
アルーシア(inアルア)ときどきアルーシア(inアルク)?
「……(じー)」
「ん? アルア、どうかした?」
「……(じー)」
「ほら、どうした。言いたい事があるなら素直に言ってみ? ほれ」
「……女の子、好き?」
「――大好きだ!」
「……」
「と、言うのは冗談で?」
「……(じー)」
「ふ、ふっ、アルアにはこの冗談はちょっとだけ早かったかな?」
「……(こくん)」
「だな。……あ、あと言っておくけどさっきのはあくまで冗談だからな。な?」
「……」
「で、でもどうかしたのか? 急に女の子好き? なんて聞いてきて……はっ、まさか!?」
「……(ふるふるふる)」
「いや、な、アルア? 俺まだ何も言ってないよ?」
「……(ふるふるふる)」
「……な、何をそんなに否定してるんだ?」
「……(じー)」
「こ、今度は何だよ、アルア」
「……男の子、好き?」
「……」
「……?」
「こ、コレはまた微妙に手厳しい質問をしてくるな、アルアは」
「……(じー)」
「と、いうか。これは答えなきゃ駄目?」
「……(こくん)」
「……あー、まあ、男の子、と言うか。可愛げの有る奴とかは普通に好きだぞ。例えばムェやクドなんかはな。それに苦労してる奴は大好きだ、と言うかすっげぇ共感できる。最近知り合ったドムスってオッサンな、ああいうのも結構好きだぞ、俺」
「……?」
「あー、アルアはドムスと会ったことないか」
「……」
「なんて言うか……あ、ほら、コッコは分かるか? 食後のティータイムの時に寄ってるあの店の店員さん。ほら、偶にアルアにおまけくれる子だけどさ」
「……(こくん)」
「うん、で、そのコッコの父親がドムスな? とは言っても全然似てないから、見ても分からないだろうけどな」
「……(こくん)」
「で、まあ逆にルークとかフィンとか、あの辺りの対して苦労して無いエリート集団は、どちらかと言えば嫌いだ。第一ああいうのに決まって俺の事をひがんで、無駄に敵意向けてきやがるし」
「……(じー)」
「あ、ちなみに女の子はどんな子だろうと例外なく大好きだ」
「……(じー)」
「あ、や。隙って言っても別に特別な事とかじゃなくてな? あくまで普通の、好感が持てるなーてだけであって、決してアルアが嫉妬しちゃうとか、そういう類の好きじゃないからな?」
「……(こくん)」
「うん、分かってくれてよかった。――と。まあこの位なんだが。アルア、これで返答になってる?」
「……(こくん)」
「そか。それは良かった」
「……(こくん)」
「いや、と言うかそもそもどうしてそんな質問を、と言うか何かあった?」
「……?」
「そんな、首傾げられても。可愛いけどな! まあそれは置いといて、本当に何かあったのか、アルア? もし知らない男のヒトに声かけられたとかだったらすぐに俺に教えてくれよ? ――ソイツ全殺しにしてくるから」
「……(ふるふる)」
「あ、違うのか。それは良かった」
「……(こくん)」
「じゃあ――何だ? もしかして知らない女のヒトに声かけられたとか?」
「……(ふるふる)」
「んー? ならどうしてだ? 他に何かあったって……むー?」
「……」
「ん? アルア、その手に持ってるの、少し見せてくれないか?」
「……?」
「そう、それ」
「……(こくん)」
「ん、ありがとな。――えっと、何々……」
『君も明日からシャトゥちゃんの前で跪かないか? 君の未来は明るいぞっ』
「――」
「めが」
「良し見なかった事にしよう」
「女神様最高」
「空耳、空耳」
「……女神様最高?」
「いや、疑問形にしても同じ意味だから。と言うよりアルア、お前は俺にどんな返答を求めてるわけ?」
「女神様最高」
「……そんな、『コレが言いたかった』的な表情で言い切られても……俺はヤツとゾンビー相手には言うことないぞ?」
「……(じー)」
「あ、アルアにそんなじっと見つめられても、アレ達に関しては言う事無し、ノーコメントだ」
「……――それもそうだね、と言うよりもそろそろレムを虐めるの止めようよ、二人とも?」
「――?」
「……な、なんでもない」
「……んん? アル……ア?」
「……(ふるふるふるふるふるるふる)」
「んー? 何か、微妙にいつものアルアと違う、様な違わないような……?」
「……ア、……――あるく?」
「歩く? アルア、何処か行きたい所でもあるのか?」
「……何でもない!」
「? あ、アルア? 急にどうかしたのか? と言うよりもいつにもまして感情が露わなような?」
「――ッ!」
「ア、アルア――……? て、きゅ、急にどうしたんだ、アルアのヤツ? 俺が変なこと言って怒らせた、とか。……はて?」
時々入れ替わります。