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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
98/1098

8, どれいと“刻印”


一休み、一休み

レム・・・ヤられ役の男の子♪

メイドさん・・・メイドさん

レアリア・・・元気な奴隷の女の子?

アル・・・喋れない奴隷

サリア・・・宿屋の娘


「……ふぅ。で、準備はできてるのか?」



「はい、旦那様」



「じゃ、いつもどおり順番に連れてこい」



「畏まりました」






こんこん



「入れ」



「しっ、失礼いたしまふっ!?」



「…まぁ、そう緊張しなくてもいいから。で、名前は?」



「は、はひっ、わたひは。パーセルゥ、と申します!!」



「パーセルゥ、ね。それはそうとして、もっと力抜いていいんだぞ?てかそんなに緊張するなよ。逆に俺の方がやり難いじゃないか」



「は、はふっ、畏まりまして候!!」



「…訳分からねぇ」



「すすす済みません」



「いや、はぁ…もういいや。それじゃ、ちょっとこっち来い」



「は、はい!!」



「悪いな、最初に謝っておく」



「ぇ、あ、ふぁ…?」



「認証――『時の廻廊』、『追憶の海馬』」



――認証、確認しました



「汝の辿った道を示せ」



「――ぁっ!?」








――貧しい、農村の生まれだった。


貧しいながらも子供はたくさんいて、私はその三番目。上の兄と姉は出稼ぎに出ていて、私もようやく家の為に出稼ぎに出られるような歳になるかならないかの時だった。


別に誰が悪いってわけでもないんだと思う。



偶々の飢饉、必然的な口減らし。



口減らしに殺された子がいた事を考えれば私なんてまだ良かった方なのかもしれない。


――その日、私は“隷属の烙印”を捺されて、奴隷になった。



奴隷としての待遇が良かったのか悪かったのか、私には分からない。けど、一日一食は必ず食べられた事を考えると決して最悪ではなかったと思う。


そうして私は店先に並べられる商品になった。



何でも“リミッタ”の奴隷らしく――自分ではよく分からなかったが、私は価値の高い奴隷らしかった。


だからどうという事もないのだけど……一体どんなご主人様に買われるのか、それがやっぱり気になって



――私を買うと言ったご主人様、醜い以外に表しのようない醜悪な男の人がねっとりとからみつくような視線を向けて、私を『買う』と言った時は一瞬目の前が真っ暗になった。



「…ぷっ、はははははは。醜い以外表しようのないって、はははっ。流石はカラオーヌ作だな。伊達にああ言ったものを作るのが好きじゃないって訳だ。…で、続きはっ、と」



……でも、この目の前の男の人は誰だろう?


ご主人様の館にいるのだから、ご主人様の関係者だとは分かるけど。とにかく、失礼だけはないようにしないと。


本当のご主人様が決まった今、私はもう私自身すらも好き勝手にはできなくなっているのだから。








「ふぅん、なるほどね。取り敢えずは大きな問題はなし。奴隷としてはまあかなり良い待遇を受けてきたわけだ。よし、もういいぞ。――閉じろ」



――終了いたします



「…おい、聞こえてるか?」



「ぇ、あ、はいっ!!え、あ…?」



「ん、用事は済んだ。もう出て行っていいぞ」



「ぇ、でも…?ぁ、はい。分かりました」






「残り十一人、か。毎度のことながらやれやれ、だな」



◇◇◇



「…ふぅ」



「御苦労さまでございます、旦那様」



「で、今ので全員だよな?」



「はい」



「それじゃ、俺は向こうに戻るぞ。あまりあいつらを待たせておくの拙いしな」



「はい、それではいってらっしゃいませ、旦那様」



「…ちなみに地上での様子、覗いてないだろうな?」



「はい、それは旦那様のお言いつけ通りに。私が驚くような事、と聞き及びましたので大変期待させていただいております」



「ああ、今回ばかりは存分に期待してていいぞ。それじゃ、行ってくるな」



「はい、いってらっしゃいませ」



◇◇◇



「…で、この待遇の違いはあまりにも精神に堪えるものがあるのですが?」



「いきなり消えたと思ったらまた急に現われて、貴方何様のつもりよ?」



「ゃ、一応お前のご主人様に当たるわけなのだが。…まぁ、それはさほど問題でもないからいいけど」



「それで、いきなり消えた事に対する弁明は何かあるの?」



「……(じー)」



「一応あるぞ。それとアル、そのじっと見つめてくるの、いや嬉しいんだけど止めてくれないか?次第に何か尋問をされてる気になってくる」



「それは後ろめたい事があるからなだけじゃない?」



「それはない」



「……見事に言いきったわね」



「ああ、俺はこの方後ろ暗い生き方は――……まあ人並以上にしてきてるな」



「おい?」



「でも、まぁ。まだ真っ当な方だぞ?復讐とか報復とか逆恨みとか、その程度だし」



「…どの基準でその程度って言ってるのかが分からないわ」



「……(じー)」



「だからアルさん?もしかしてそれが今のお気に入り?」



「……(じー)」



「ぅ、済みません。私がやりました……って、俺は何もヤッてねー!!!」



「何一人漫才してるのよ、気色悪い」



「つ、ついいつものノリが出てしまった。洗脳か?俺はやっぱり奴に洗脳されてきてるのか??」



「今度は一人でブツブツと何言ってるのよ?前からおかしなやつ、とは思ってたけど、やっぱりどこか、具体的に言えば頭が悪いの?」



「……(じー)」



「お、俺は悪くないっ。俺は何も悪くないんだ!!全部あいつの策略で、俺は罠にはめられただけなんだー!!」



「益々意味分からないし」



「……(こくん)」



「ゃ、だからアルさん?意味分からないまま首を縦に振るの、いい加減やめにしないか?地味に大ダメージなのですよ、俺にとっては」



「……(こくん)」



「わーい、やったねー」



「…ばか?」



「…あぁ、俺も外から自分を見ればバカやってるな、とちょっと思った」



「……(じー)」



「で、アルはいいとして。本当にいきなり消えてどこいってたのよ?」



「う〜ん、離れ離れになって俺の事が恋しくなったらしいメイドさんに会いに行ってた?」



「はいはい、あんたの妄想はいいから。てか、それだけ元気があるならもう少しアルカッタへの足取りを早めてもいいわよね?」



「いや無理」



「…骨ココに埋めてみる?」



「……(じー)」



「いやマジで!実は、歩くのはアルにできるだけ世界の広さを見せてやりたいからであって、」



「…貴方」



「決して、アルカッタってそう言えば最近戦争初めそうだよなぁ。行きたくねぇ、とか思ってるわけじゃないからっ!!」



「少しでも感心しようとした私が馬鹿だったわ」



「だからっ、…へ?あの、レアリアさん、何か怒ってません?」



「いいえ、怒ってないわ」



「でも」



「これはね、ほとほと自分自身に呆れているだけ。それと極めて冷静に、どうやったら“隷属の烙印”に反しないように貴方を酷い目に遭わせられるのかを考えているだけ」



「十分怒ってますねー?!」



「……さあ、どうかしら?」



「嫌ぁー……つか、やっぱり俺はこの待遇の違いに異議を申し立てる!!」



「却下。………あ、ひとつ思いついた」



「……(じー)」



「ふっ、この俺を甘く見るなよ?逃げ足だけは自信があるぜ!!」



「あ、逃げるなこのっ…」



「ふふんっ、追いつけるものなら追いついてみろって言うんだ!!」



「このっ……サリア―、レムがサリアの悪口言ってたわよー!!あとサーシャさんにちょっかいを…」



「ぁ、きたね、このっ」




「レム兄ちゃーん???」




「うわっ、この地獄耳めっ。今の嘘だから、な?落ち着こうぜ、サリア?」



「うん、私、レム兄の事信じてるよ?信じてるから、ね?ちょっとこっち来て――一日ほどじっくり話し合おう?」



「絶っっ対、信じてねぇー!!!!」



「「あ、逃げるなこのっ、待て!!」」



「誰が待つかっ、こなくそ」



「……(じー)」





やれやれ、です。


人物紹介


パーセルゥ

『1.どれいと人買い』で出てきた“リミッタ”付きの奴隷の一人である。

奴隷としての待遇は破格的によかった模様。

ちなみにアルと同い年くらいの女の子である。



アルの教育講座

「アル、やらないか?」

(両手を広げて、さわやか笑顔で上半身裸のイメージ)

「……」

ズビシッ

「死ね!この変態!!」

レアリアの目潰し攻撃が決まった!

「ぐぉぉぉ、目が!目がぁぁぁ!?」

「……」

(アルさん、冷笑?)


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