ど-590. ファイトォォ……千発ほど
会話の内容に意味はないです。
ただちょいと、害虫駆除にやる気のレム君です。
「――さて、と。それじゃちょいと、久しぶりに気合入れてみるとしますかねっ!」
「……?」
「ああ、アルア? アルアはちょっと危ないからちゃんと俺の傍にいるんだぞ? 甘いモノに釣られて離れて行ったりとかしちゃ、駄目だからな?」
「……(じー)」
「ん? いや、まあ? 危ない事って言っても俺に掛かれば楽勝? みたいな感じではあるんだけど?」
「……(じー)」
「大丈夫だって。そんな心配そうに見つめられると……何だかすっげぇ気分がハイになってくるじゃないか!」
「……はい」
「――ああ、何かこう言うの、良いかもな。久しぶりな感じだ。気分の高揚? って言うのか。アレだ、もうぶっちゃけ周りの視線とか一切気にならないっつーか、アルアがいればそれでオッケー?」
「……(ふるふる)」
「うん、今の俺なら何だって出来そうな気がするぜ。例えばここであいつが出てきてもいつになく強気に出られる自信があるね、今の俺は!」
「……?」
「ふ、ふ、ふ。今の俺に敵はないぜ。神でも悪魔でも聖遺物の親玉でも創主でも掛かってこいって感じだ。……ゃ。やっぱり創主だけは勘弁だな。やるだけ時間の無駄だし」
「……(じー)」
「どうかしたのか、アルア?」
「……創主?」
「創主? って、ああ、もしかして“創主”って何かとか?」
「……(じー)」
「いや、別に俺が負けるとか、そういう訳じゃないんだけどな?」
「……(じー)」
「“創主”ってのはなぁ……誰がつけたかは知らんが、まあ個人名みたいなもんだ。や、渾名か?」
「……」
「ま、兎に角本名とかじゃなくてだな、……名前はどうでもいいんだが、取り敢えず創主ってのは“個人”に対する呼び方だ。具体的に言えば俺の天敵だな、アレは。あらゆる意味で――それこそウチのが目じゃないレベルの規格外美少女二人を侍らせてる、真性の朴念仁。俺の知ってる限りで言えば悪魔の親玉みたいなものか? あ、いや、異世界人?」
「……異世界」
「まあどっちでもいいか。取り敢えず阿呆のどうしようもない馬鹿な。――ま、アレに限って言えば余程の偶然でも起きない限り遭う事もないだろうし、別に気にしなくても良いからな、アルア?」
「……はい」
「あ、ちなみに俺の方がいい男だからな? そこの所、間違えないように」
「……(じー)」
「あ、アルア、その目は疑ってるな?」
「……はい」
「あ、ひでぇ。つか俺の方が絶対に良い男だって! むしろあんな朴念仁に負けてたら俺は本気で泣くぞ?」
「……(じー)」
「――と、は言っても。創主に会った事もないのに、ああだこうだ言ってても無駄か」
「……(こくん)」
「や、そもそも良いんだよ。創主なんてこの際どうでもいいんだ。それよりいま重要なのは俺、今から俺がちょいとそこらに潜伏してる緑の手下を狩ってくるから。アルアは俺の傍で俺の雄姿を見ててくれればいいのっ」
「……?」
「あ、そう言えばアルアにはまだ言ってなかったか? 今からちょっと、根暗に喧嘩売ってくるわ。――俺の周りをうろちょろしてんな、屑が……ってさ」
「……(じー)」
「うん、大丈夫。アルアの為にも、今のうちに片付けられる害虫は片しておいた方がいいって思ってな。うん、害虫退治、良い花を育てようと思った時の基本だよな、コレ。まあ、知識ないと益虫と害虫を判断し損ねたりするんだが」
「……(こくこく)」
「ま、今回のは確実に害虫決定だからその辺り気にする必要はないんだけどなー」
「……?」
「うん? ああ、緑の輩は基本害虫な? 例外として点睛は俺が一から調教、違った、教育したからなー。うん、あいつは大丈夫、俺の言いなり」
「……(じー)」
「ぅ、何だかアルアからの視線が微妙に痛い気が……いやいや、それはきっと、多分、恐らくは、単に俺の受け取り方の違いであって、別にアルアが何か含んでるとかそういう訳じゃない、はずだ」
「……(じー)」
「アルアー? ちょっと俺、これからアルアのより良い未来の為に頑張ってくるからなー? ホントに、ちゃんと俺に付いてきてくれよ? ……あの根暗は根暗だけあって、ヒトの弱い所的確に突いてきやがる根暗だからな」
「……(こくん)」
「よし、良い子だ」
「……」
「じゃ、アルア。行くか。手始めはやっぱり、……――神様に囚われた女の子を救い出しに、って感じが、やっぱり俺らしくていいんじゃないか?」
「……、……はい」
・・・・・・15分程、更新が遅れてしまいました。
ちなみに。
悪魔って言うのがこの世界の“異世界人”の基本立場です。悪魔=異世界人と言う感じに存在が矯正されるしくみになっています。なので基本的にこの世界に異なる世界の人という存在はないです?
・・・・・・まあ無駄知識ですが。