58. どれいと十二姫
~これまでのあらすじ~
覗き、強姦未遂、幼女誑かし、etc...の冤罪(?)で捕まったレム。でも自力で自由へ向けてI can flyの精神で脱走をした――まではよかったが、W.R.第六位の強敵(?)クリスの出現にあと一歩と言うところまで追いつめられるレム(と、その他一名)
もはやこれまでか――と思われた所で神ならぬ怪盗の救いの手が差し伸べられた……?
…………戦争の話? 何それ、美味しいの?
シンカ・・・リリシィ共和国の“(旧)予言の巫女”様。遂に(旧)がつくようになった(笑)。現在、レムに求婚中???
怪盗うさぎぴょんぴょん改め、近隣では美女美少女美幼女(?)として知れ渡っているマイファ国の十二姫様らの名前、順に。
長女:リッテスラ・・・苦労人。
二女:ミスト・・・むねのヒト。
三女:ゲイツィート・・・一応、運動が得意。
四女:ルルネル・・・・勘が鋭い。
五女:ニャイハ・・・ナイ乳っ娘。
六女:チュール・・・一言多い……けど愛されてる子。
七女:イリュミ・・・深窓の令嬢っぽい感じの子。でも実は魔法が得意。
八女:ツバルィ・・・深窓の令嬢っぽい感じの子2.でも実は身体動かすの好き。一番すばしっこい。
九女:アステル・・・胸が気になるお年頃?
十女:クロフフィーネ・・・寡黙?
十一女:キクカ・・・双子の姉。
十二女:シマ・・・双子の妹。
「「「「「「「「「「「「お久しぶりです、レム様」」」」」」」」」」」」
「……うん、取り敢えずヒトをふん縛っておいて言うセリフじゃないと思うよ?」
「そうしないとレム様逃げ出しますから」
「「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」」
「……縛っておいても逃げ出しそうだけど」
「うん、クロフフィーネ、正解な……っと。ただ縄で縛っただけの拘束なんて俺には無意味だぜっ」
「「「「「「「「「「「あ」」」」」」」」」」」
「……やっぱり」
「――ま、何はともあれ。リッテスラ、ミスト、ゲイツィート、ルルネル、ニャイハ、チュール、イリュミ、ツバルィ、アステル、クロフフィーネ、キクカ、シマ。久しぶりだな」
「「「「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」」」」
「と、言うか。流石に近隣で美姫と名高いのが十二人も勢揃いしてると壮観だなぁ。……しかもウサ耳バニー」
「これが怪盗”うさぎぴょんぴょん”の正装ですから……でも恥ずかしいので余りじっと見ないで下さい、レム様」
「でっ、でもレム様になら――やっぱりダメっ!!」
「「「「「「「「「「……」」」」」」」」」」
「いや、今更恥ずかしがられても。と言うか、そう言うのは半端に恥ずかしがるから駄目なんだぞ? むしろ堂々としていた方がいい、こう――」
「胸を強調して?」
「そう、胸を張って強調――ってルルネル、何を言わせるっ!?」
「レム様の視線が釘付けでしたから……」
「ふっ、男たるもの当然のことじゃないかっ。むしろ悪いかっ!!」
「そ、そう言う事でしたらレム様――」
「「「「「「「「「「ミスト姉様!?」」」」」」」」」」
「くっ――だがっ、その程度で思い通りになる俺と思うなよっ!」
「……そう言いつつ、視線はミストの胸から動いていませんね、レム様?」
「それは言うな、リッテスラ」
「はい」
「……あー、ミスト、目の毒だからその腕で胸を強調するの、止めない?」
「ミスト、いい加減はしたないですよ?」
「「「「「「「「「「ミスト姉様、卑怯です!!」」」」」」」」」」
「……はーい」
「と、言うか。バニーさん姿ではしたないも何も今更だと思うんだが? いや、今更ながらにコレがマイファ国のお姫様たちって問題あり過ぎじゃね? とか思うのは俺だけか?」
「今の私たちは姫ではありません。怪盗“うさぎぴょんぴょん”です」
「「「「「「「「「「「そうです、レム様」」」」」」」」」」」
「でもこの格好をヒトに……特に殿方に見られるのはやっぱり凄く恥ずかしいですけど」
「「「「「「「「「「「……」」」」」」」」」」」
「まあ、その辺の葛藤は知らんが。つか葛藤するくらいなら廃業してしまえ、そんな職業」
「「「「「「「「「「「それはできません、レム様」」」」」」」」」」」
「この国で私腹を肥やしている商人、貴族たちを放っておく事は出来ません!」
「「「「「「「「「「「駄目なんですっ!!」」」」」」」」」」」
「って言ってもなぁ。前も言ったけど、こんなこと続けてるとどうなるか分かったもんじゃないぞ? 立場上の問題は当然として、捕まったらどんなコトされるか分かったもんじゃないし」
「私たち、そんなドジは踏みません」
「「「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」」」
「その為に鍛えてますからっ」
「……そう言って胸ばかりが成長するミスト姉様が羨ましいです」
「ちょ、アステル!? 貴女は未だ成長期だからっ、」
「それは私に対するあてつけですかっ、ミスト姉様!?」
「あ、いや、ニャイハ? そう言う事じゃなくて」
「くっ、この胸が――ミスト姉様のこの胸が憎いですっ!! このっ、このっ、このっ!」
「――ぁ、ニャイ……んんっ」
「……ミスト姉様、何か色っぽい声」
「わたしたちも、今後に期待……ね、シマ」
「うん、、キクカ」
「……やっぱりミスト姉様の胸、羨ましいな」
「大丈夫、私たちにはまだ望みがあるよ、イリュミ」
「うん、そうだね、ツバルィ」
「このっ、このっ、このぉ!」
「ぁ、ゃ、んんっ、ちょ、ニャ、いい加減ンッ!? ……ぁっ」
「っ、ミストっ、レム様の前でなんて声出してるのっ! それにニャイハも、止めなさい! あなた達も見てないでっ、二人を止めなさいっ!?」
「でも、リッテスラ姉様……ミスト姉様のこの胸が、」
「……うぅ、恥かしいです。レム様の前で、あんな醜態を」
「いい加減になさいっ、ニャイハ!」
「……あー、まあ女三人集まっただけで姦しいって言うくらいだから、十二人も集まってれば騒がしいのは分かるけどさ」
「っっ、レム様、ごめんなさいっ。こんなみっともない所をっ、」
「いや、まあ別にこう言ったのは見慣れてるから気にしないし。つか、一番上のお姉ちゃんも大変だよな、リッテスラ」
「……はい」
「「「「「「「「「「「リッテスラ姉様、ずるいっ!!」」」」」」」」」」」
「ず、ずるいってあなた達。私は、別に……」
「まあとにかく、だ。鍛える鍛えない、踏む踏まないに関わらず。仮にああいう悪いオジサンらが本気を出してきたら、碌でもないのが現れ出すぞ、って俺は言ってるの。暗殺ギルドとか盗賊ギルドとか、その辺りの非公式ギルドとかの後ろ暗い奴ら」
「それなら大丈夫ですっ。私たち、リリィお姉様に御指導頂いてますからっ」
「……リリィ、お姉様?」
「「「「「「「「「「「「はいっ」」」」」」」」」」」」
「……、若干一人ばかり心当たりがありそうだけど、いや敢えて聞くのは止めてこう」
「銀髪のメイドお姉様です、レム様」
「――あぁ、態々教えてくれてありがとな、チュール。……つか、あいつは一体どこで何してんだか」
「だから私たちは大丈夫です、レム様」
「「「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」」」
「幾らあいつが鍛えてくれてるって言ってもな……ゲスな輩なんてこの世界に吐いて捨てるほどいるし。それにお前たち程度の実力じゃ、手も足も出ない、逃げ出す事も出来ないって相手だって五万といるぞ?」
「「「「「「「「「「「……」」」」」」」」」」」
「分かってます、レム様。でも、それでも私たちは……」
「私たちはリトルお兄様の為にも頑張りたいんですっ」
「そうですっ、頑張ってる兄様の為に!」
「私たちだって兄様の後を継いで、自分たちに出来る何かをしたいんです!」
「それにあんな悪いヒト達を放っておくなんて出来ませんっ」
「懲らしめてあげなきゃ駄目なんですっ」
「……あのいけ好かない大臣、リッテスラ姉様の事をイヤらしい目で」
「将軍はゲイツィート姉様の事をイヤらしい目で見てますし、宰相はニャイハ姉様、公爵の癖にあのオヤジはキクカとシマの事を。それに他の皆だって……」
「コレは天誅なんですっ!」
「天誅!」
「「うん」」
「……――まあ、お前らには悪いがあの国が心底腐ってるのは知ってるけどさ。それでよく現状で持っているもんだと変態の腕には感心もしてるが。だからって態々危険って分かってる事を見逃すのはなぁ……やっぱり俺の主義に反するし?」
「レム様の心配は、痛いほど嬉しいです。でも……」
「「「「「「「「「「「……」」」」」」」」」」」
「――はー。まあ国の為を思ってって言うのなら一番手っ取り早く立て直す方法は、お前たちが何処かに嫁いで強固なパイプを作ることだと俺は思うがねぇ。あ、お勧めはスフィアかアルカッタ辺りな? あの辺りなら比較的俺の知り合いも多いし、紹介もしてやれるぞ?」
「「「「「「「「「「「「――」」」」」」」」」」」」
「ん? どうかしたのか?」
「「「「「「「「「「「「――いえ」」」」」」」」」」」」
「……何故だろう? 何処か緊迫した雰囲気を感じるんだが」
「「「「「「「「「「「「――」」」」」」」」」」」」
「……」
「「「「「「「「「「「「――」」」」」」」」」」」」
「ま、まあ? 何事も本人の気持ちが一番だしなっ。本人がそれは嫌って言うのなら――まあ真性変態だってそれを分かってるからその手を使わないんだろうしなっ」
「はい、リトルお兄様は、自分が苦しいと言うのに私たちの事を考えてくれて……」
「「「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」」」
「……ま、危険な事をしてほしくないって思うのはあくまで俺の我儘な訳だしな」
「「「「「「「「「「「「……レム様」」」」」」」」」」」」
「けど、ま。折角知り合えたんだ。お前らに。何かあったら俺がすぐにでも飛び付けて行って、あいつ――お前らの言うリリィお姉様が助けてくれるさ。だからって、無茶はあまりして欲しくはないんだけどな?」
「「「「「「「「「「「「……はい、レム様」」」」」」」」」」」」
「……で、さ。まあそろそろツッコんでも良い頃だと俺も思う訳で、一つ言わせてもらうんだが、」
「「「「「「「「「「「「はい?」」」」」」」」」」」」
「――いい加減、ソレ放してやってくれないかな? 生憎シンカって、縄抜けとかそういう事出来ないから」
「~~!! ~~!! ~~!!!!」
「あ、はい。レム様がそう仰るのなら……ゲイツィート」
「はい、リッテスラ姉様。――でもレム様、この娘、誰ですか? いえ、レム様とどう言う関係ですか?」
「「「「「「「「「「「――」」」」」」」」」」」
「んー? まあ旅の道連れ? 何故か俺が道中攫ってきた、リリシィ共和国の“予言の巫女”様。本名をシンカと言う」
「「「「「「「「「「「リリシィ共和国の“予言の巫女”!?」」」」」」」」」」」
「ふっ、何を隠そう、俺にぞっこんメロメロの、俺にとってはただの女の子さっ」
「~~ぷはっ!! へっ、ヘムさん!! 浮気は駄目なんですからねっ!!??」
「「「「「「「「「「「「――」」」」」」」」」」」」
十二人って多すぎですよね?
会話文のみでってのは……無理だよ、コレ。