ど-580. 幼女一人
レム一筋の女神様？
ちなみに、神様狩りとか、大した意味は考えていない作者である。
「……！！」
「ビビっときました！」
「いや、それ俺のセリフ」
「何者かがレムの貞操を狙っているっ。私にはそれが分かります」
「……それはシャトゥ自身のことじゃないのか？」
「うむ？ ……言われてみればその通りかもしれませんが、私はそんな痴女じゃないの」
「まあ、確かにシャトゥの場合は痴女と言うよりも呆女って言った方がいいかもしれないな」
「ほーじょ？ なんですか、それは」
「シャトゥのことだ」
「そうなのですかっ」
「ああ」
「うむ！ 私は呆女です！」
「……うん、自分で言ってりゃせわないな、つーか、やっぱりどこからどう見ても阿呆だな」
「今は私はバカにされました！」
「え、そうなのか？」
「何となくそんな気がしました。きっと、今私はレムにバカにされた！」
「いや、そんな事はないぞ？」
「……そうなの？」
「ああ。バカにするって……はは、シャトゥ相手にそんなことするわけがないだろう？」
「うむ？ ……うむ、それもそうですね。私はまだまだ未熟者なれど、レムにバカにされる程落ちぶれてはいませんっ」
「いや、それこそどう言う意味だと俺が聞きたい」
「だってレムは阿呆なのです。いつまでも私との約束に拘って、囚われて……そもそも私はそんな約束なんてしていないのに」
「――」
「うむ？ 所で約束って何の事です？ 私の貞操がレムに奪われちゃう約束の事ですか？」
「そんな約束は誰もしていない」
「うむ。私はどちらかと言えばレムの貞操を虎視眈々と狙っている方なのでレムに奪われるつもりは少しもありません。でも捧げるのは可なの、……不思議と恥ずかしいのです、きゃっ」
「……そう言えばシャトゥにもようやく羞恥心と言う人並みのモノが芽生え始めてきたんだなぁ……何か少し、感激だ」
「所でレム、貞操って何でしょうか？」
「テイソウ？ ――ああ、人類の最下層の事だ。低層、な」
「成程！ つまり私はレムを底辺の底辺に叩き落とすのを狙っていると言う訳なのですね！」
「そうなるな」
「うむ！ 私の信者たちの為にもレムは落として堕としてオトし尽くさなくちゃいけないのですっ」
「まあ、断固として断るが」
「レムっ、レムっ、今なら私が一緒に憑いてきますよ？」
「益々、要らねえよ」
「……しょんぼりです。しくしく、何だかおめめから水が流れてきます。何故でしょう？」
「ああ、きっと嬉しいんだろ？」
「私……我は嬉しい、の？」
「違うのか？」
「何となく違う気がします。むしろ姦しいです？」
「かましい？」
「……何かちょっと違う気がします。……んと、悲しい？」
「いや、かましいと悲しいじゃ天と地ほど意味が違うだろ」
「うむ？ なら問題なしです。私にとって天と地はそんなに違ってませんから」
「……確かに」
「うむ。つまり私は今――姦しいのです！！」
「……まあ？ 確かに姦しいな」
「うむ！」
「……やっぱり何か違う気もするが、まあ所詮シャトゥだし、良しとするか」
「うむ？ レム、何か良からぬ事を言いませんでしたか？ 具体的にシャトゥちゃん愛してるっ、です」
「それは言ってないな」
「……そうなのですか」
「ああ、それは間違いない」
「レムはいつも私を困らせるの。でもそんなレムが良いと我が言うの。……我？ 私って誰です？ シャトゥルヌーメ？ うむ？ 私は私なの」
「――シャトゥ」
「……うむ？ はい、何でしょうか、レム？」
「
余りそっちの事は気にするな。阿呆（なんちゃった♪）は気にするだけ無駄だから」
「うむ？ よく分かりませんがレムが言うならそうするの。……こうして私はレムに調教されていくのですね、うっとり」
「……どちらにせよ所詮は阿呆か」
「所でレム？」
「あん？」
「狩りはどうなったのです？ 私の恋の狩人としての心のどきどきわくわくが止まらないの」
「ああ、狩りね。それならそんな焦らずとももう直だから、ちゃんと準備しておけよシャトゥ？」
「うむ！」
「……ふぅ、俺も少し心を落ち着けて、準備しとかないと、ねぇ」
いつも思う。……こいつら、なにしてんだろ。
【本日のメイドさん】
「――、あちら、ですか。旦那様が明確に動かれた、という事は――何かを掴まれたのでしょうか？ どちらにせよ行けば分かります、……が、少々覚悟はしておいた方が良さそうですね」
