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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん+女の子とご主人様
944/1098

 ど-575. 企て

街を無茶苦茶にしたのでレム君は捕まりました。

まあいつもの事?

「……はて?」



「レム、レムっ」



「何で俺は牢屋の中で寝ているのだろうか?」



「レムはそんな趣味があったのですか?」



「ない。つか、そんな趣味ってどんな趣味だ」



「んと……牢屋の中で寝るのが好きなの?」



「好きじゃねえ」



「でも良く寝てる姿を見ます?」



「俺の本意じゃない。――良いか、シャトゥ。世の中にはな、時々悲しいかなすれ違いって言うのが生まれるんだ」



「ソレ知ってます。私とレムの関係のことですねっ」



「あぁ、まあ、ある意味そうかもな」



「うむ」



「俺はな、不思議な事にそのすれ違いって言う偶然に好かれていてな。きっと運命の女神様にでも好かれてるんだろうな」



「照れます、てれてれ」



「いや、別にシャトゥの事を言った訳じゃないぞ?」



「うむ? 当然です。私は女神とかじゃありませんから」



「……あ、そ」



「うむ」



「兎に角、そう言う事できっと何かの間違いすれ違いで俺はこんなところに入れられてる訳だ」



「そうなの?」



「ああ。……と言うか気になったのはどうして俺は牢屋の中でシャトゥは外なんだ?」



「うむ?」



「いや、ここに入る直前の事をよく覚えてないんだが……俺が牢屋にいるならシャトゥも入れられてて当然じゃないのか?」



「それはきっと私のびぼー故なの。この美貌が、全ての罪を洗い流す……の」



「美貌、ねぇ……」



「ちなみに私はビップ待遇?」



「……ビップ?」



「美味しいお茶とかお菓子とかいっぱい出してくれて、ここはいい所なのです」



「何だそれは。すっげぇ納得いかないぞ」



「ふはははは、これが私とレムの格の違いと言う奴なのです!」



「ははは――いや、ムカつくな、おい」



「でも一人ぼっちは寂しいのです。アルアもルルも勝手にどこか行ってしまったので私が頼れるのはレム一人なのです」



「勝手に? 俺としてはシャトゥが暴走して、その二人を何処かに置き去りにして来ただけの様な気がするんだが?」



「そうとも言います」



「言うのか」



「うむ。でもって私は思い閃いた! 私が一人で不安がってる所をレムに見せつけて、その隙に付け入らせるのですっ。――レムめっ、私の弱みに付け入るなんて卑怯な!」



「いや、勝手に自己完結してろよ」



「と、言う訳で私の準備はオッケーなの。へい、レム、カモンッ、あは~ん?」



「取り敢えず寝言は寝てる時だけにしとけ」



「うむ?」



「……つか、俺はこんなところでシャトゥと二人、何やってんだ」



「愛の営み?」



「違う」



「レムの鋭いツッコミが私を深く貫き抉るのです。うむ、うむ」



「――で、まあシャトゥの事は放置しておくとして、だ」



「私は構ってくれないと死んじゃうのです。レムめ、私を亡きモノにする気かっ」



「……さてと。んじゃ、そろそろ動こうかね?」



「……レム、レム? 私を無視しないで下さい? 寂しくな泣いちゃうの――いやむしろ怒る! 折角母様が迫ってきているのを教えてあげようと参上したのにっ、ぷんすかぷんっ」



「――それを早く言え!!」



「今や母様の怒りは頂点、ここで捕まればどんな目に遭わされることか。……がくがくぶるぶる、何故か震えが止まりません」



「――よし、シャトゥ、よぉぉく、聞けよ?」



「うむ?」



「いいか、」



「真面目なレムにどきどきです」



「――シャトゥ?」



「御心配には及びません。私はいつでも真面目ですっ」



「……ああ、それもそうだったな。んじゃ、改めて――」



「うむ」



「“狩り”を始めるぞ、シャトゥ」



「うむ? 狩りですか?」



「ああ」



「レム狩り?」



「いや、自分で自分を狩ってどうするんだよ」



「それもそうですね。でもレムってそんな趣味だったとは驚きです。自分で自分をいじめて楽しいの?」



「だから違うと言っている」



「それでは何を狩るのです?」



「そりゃ当然――カミサマを、だよ」



「レムに狩られる!!」



「いやいや、シャトゥは神様じゃないんだろ?」



「……うむ? そういえばそうでした。ふー、柄にもなく焦りました」



「ゃ、柄にもなくって、」



「ちなみにレム、狩られた私はレムに美味しく食べられちゃうの?」



「だからそもそもシャトゥを狩る気はないって」



「――!! ではレムは男を狩って美味しくいただいちゃうのですねっ。――私は貴方をそんな子に育てた覚えはありません!!」



「誰もテメェに育てられてねえよ」



「いけませんっ、男色はいけません。そちらに走るくらいならその劣情――私が貴方の全てを受け止めます!」



「黙れ、しゃしゃり出てくるな、“なんちゃった♪”駄神」



「――む、やはりあの女のような“ぼんっ”“きゅ”“ぼんっ”が貴方の好みですかっ、であるならば私だって、」



「良いから黙れ、シャトゥ」



「はい」



「……」



「……」



「いや、何――な。誰が何を企んでるかは知らねぇが、企んでるならその企み、今のうちに完膚なきまでに潰しておこうと思ってな」



「……」



「……なに、笑ってるんだ、シャトゥ」



「……」



「……あー、もう喋っていいから」



「はいっ。いいえ、私は貴方の横顔を見て楽しんでいただけですよ」



「楽しいのか、ソレ? つか、そういえばあいつも良くそんなことしてたけど」



「とても楽しいですよ?」



「ふーん」



「そ、それはそうとして……ね? 私の企みも潰す気なの?」



「企み?」



「知らないならそれで良いっ!」



「――そうだな、何となく碌でもないモノの気がするんで、お前の企みとやらも潰しておくか」



「――それでも大丈夫っ、貴方と仲良くなる企ては後43,213案考えてるから!」



「……、あー、うん。相変わらず他の誰かさんらと違って実に平和的な企てだな、シャトゥ」



「平和的、と言うのならばそうかも? だって私のヒトの子らが傷つく姿を見たい訳じゃないもの」



「へえへえ。――ま、そう考えてるのは女神サマだけなんだろうけどな……」



「……」



「つーわけで、だ。俺はこれより――“狩り”に入る」



「うん、その表情も素敵ですよ」



「……なーんか、コレが一緒だと締まらないなぁ」



「ふふふっ」




……真面目そうにしてるけど。レム君はずっと牢屋の中。


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