ど-572. へたれ+バカ=?
……シャトゥルヌーメよ。当初と変わって、完全にボケに堕ちたかー。
「……ふぅ、お茶が美味いぜ」
「ぽ~」
「ん? どうかしたのか、シャトゥ」
「うむ、レムの横顔に見惚れていました」
「あ、そ」
「うむ」
「……」
「……」
「あー、茶が美味いぜ」
「レム、私にも一杯下さいっ」
「一杯って、シャトゥのはそっちにあるだろうが」
「レムと間接キッスが良いのですっ」
「全力で断る」
「レムってば相変わらずの照れ屋さんなの」
「シャトゥは相変わらずの“なんちゃった♪”具合が今日も最高潮だな」
「うむ。私はいつでも人生のクライマックス――!」
「それじゃダメじゃん」
「うむ? ……いいのです。私はヒトじゃないので良いのです?」
「じゃあ神生か?」
「うむ? レム、ですから私はヒトでなければ神でもありません。むしろオンリーワン?」
「いや、まあ確かにホムンクルスなんてこの世界に一体くらいしかいないだろうが」
「そこにレムの愛を感じますっ」
「悪いな、それは勘違いだ。断言しよう」
「勘違いでも良し!」
「いいのか」
「レム、知っていますか? 恋と言うのは勘違いから始まるものなのですよ?」
「――誰だ、その間違った知識をシャトゥに植え付けたバカ野郎は」
「うむ? ……あれ、誰から教えてもらったのか覚えていません。???」
「と言う訳で私の勘違いは恋の始まり? レムっ、愛しています!」
「まあ、落ち着いて、何ならもう一度死んでこい」
「ふふっ、レムってば嬉しいくせにっ。ですがそれはぬか喜びですっ! 私の告白はそんなに安くはないのですっ」
「あ、そ。つか、マジでどっちでもいい」
「そして私は私の目的を思いだしました!」
「目的? つかシャトゥ、お前に目的なんて崇高なものが存在したのか?」
「言われてみれば私はどちらかと言えば本能のままに行動しているので目的なんてないかもしれません」
「だよな」
「だがけどしかしっ! ――我の我足る目的は一つなのです!」
「……うるさい、耳元で叫ぶな」
「あ、ごめんなさいなのです、レム」
「分かればいい。分かればいいのだ。それとシャトゥ」
「うむ?」
「ちょっとあっちで遊んで来い。ほら、お前と同い年くらいの子供たちが一緒に遊びたそうにこっちを見てるぞ?」
「うむ? 悪いのですれがレム、私はあんな小さな子たちと遊ぶほど大人じゃありません。むしろ私の方が年下です!」
「ま、確かにそうだけど。精神年齢的には同じくらいそうじゃないか?」
「酷い侮蔑です!」
「……そうか?」
「そうなのですっ。と言う訳でレムッ」
「あん?」
「私ちょっと遊んでくるのっ、きゃほ~いっ、この超絶美幼女たる私もまぜるが良いのです、愚民ども!」
「……あ? そう言えばシャトゥの目的って、結局何だったんだ? ……、……ま、どうせあの“なんちゃった♪”女神のことだからどうでもいいかー」
……なんだろ、こいつら、もう駄目だ――ッて感じの言葉しか思い浮かびませんが?