ど-571. 危険回避?
シャトゥ&レム。
シャトゥの勘は、良く当たる……と言うより予知と言った方がいいかも?
「――シャトゥ」
「うみゅ? ……何ですか、レム」
「アルアは何処だ?」
「アルア? 下僕二号ちゃん? ……どこでしょうね?」
「おいこら」
「何ですか? あ、それとこれは私の分のツィートルなのでレムにはあげませんん!」
「いらねえよ」
「あ、でも私の食べかけなら……はい、レム。あーん、なの」
「だからいらないっての」
「……レムに振られました。しょんぼり――だが我はくじけない!!」
「少しくらいくじけててくれたりすると俺としてはかなり嬉しいんだが?」
「私に挫折の二文字はない!」
「そうかそうか。……――つか、そんな事はどうでもいいから、アルアの居場所は何処だって俺は聞いているのだが?」
「げ、下僕二号ちゃんの居場所は、居場所は……」
「ちなみに嘘を言ったら絶交だ」
「――下僕二号ちゃんことアルアは何となくあっちで“冰頂の子”と戯れている気がします!!」
「冰頂ってと、――スィリィか。いや、つか何でスィリィと一緒?」
「うむ。きっと【燎原】につられたのですね。あの子は他の使徒を引き付けちゃう魅力を持っていますから」
「魅力、ねぇ……? どのあたりがだ?」
「ちなみに私にはよく分かりません。私としてはあの子は基本的に駄目駄目だと思うの」
「だな。それは俺も同意しておく」
「うむ。きっと“使徒”だけに分かる何か特別なフェロモンでも出してるの、あの子」
「フェロモン……、まあ妥当なところで腐臭か」
「ふしゅー?」
「――……ま、スィリィが一緒って言うのならアルアも大丈夫、そう急ぐ必要もないか」
「そうなのですっ、レムはもっと私との時間を大切にするべきだと思うのっ」
「――あ゛? 今すぐ地面に埋めてやろうか?」
「優しくして埋めてやって下さい!」
「……そう言えばこいつも基本的に駄目駄目な奴だったか。ま、結局どっちも似た者同士ってことだが」
「私、レムの手でレムに埋められちゃうのっ……きゃっ、何か何となく恥ずかしい気がするのですっ」
「それはお前がようやく自分のバカさに気付いたからだ」
「――そうして私は成長していくのですね。うむ、分かります」
「違うし」
「うむ、うむ。こうして今日も私はまたレムの手で大人の階段を上ってしまいました……」
「……、兎に角。シャトゥ、さっさとアルアの所に案内しろ」
「……何となく下僕二号ちゃんの傍に行かない方が良い気がします」
「は? 何言ってやが――」
「母様の気配がします。それもなんとなく機嫌が悪い様な気がひしひしとするの」
「――まあ、スィリィと一緒ならアルアも大丈夫だろうし。少しくらい放っておいても大丈夫だろ、うん」
「うむ、私もそう思います」
「……」
「……」
「……取り敢えず、近くの街にでも向かうか、シャトゥ」
「うむ」
ふたりの意気地のなさにはしょんぼりです。