Act XXX. 迷子二人
今日は凄く短いです。
……何してるんでしょうね、この二人(スィリィ&アルア)
――不意に。
彼女、スィリィ・エレファンは自分に向けられている視線に気がついた。
「……(じー)」
「? え、何?」
「……(じー)」
「あなた、私に何か用?」
「……(こくん)」
「……そう言えば、貴女、何処かで見たことある気がするわね?」
「……(じー)」
「えっと、何処で逢ったんだったかしら……?」
「……(じー)」
「――駄目だわ。思い出せない」
「……(じー)」
「……ねえ、さっきから何な訳? 私に何の用があるの、あなた?」
「……(こくん)」
「なら何? 何の用事? 私、ちょっとヒトを探してて忙しいんだけど?」
「……(こくん)」
「え、何? もしかしてあなたもヒトを探してるの?」
「……(こくん)」
「へぇ、奇遇ね。……それ、もしかしてレムとか言うちょっと恰好良いかな? て、なに言ってるのかしら、私。……と、とにかく。レムって男のヒトを探してる、わけじゃないわよね?」
「……?」
「そ、そうよね。いくらなんでもそんな偶然、ないわよねっ」
「……(ふるふるふる)」
「え、それってどういう意味?」
「……(じー)」
「ね、ねえっ、今のはどう言う意味よっ!?」
「……」
「ちょ、ちょっと! ま、まさかこんな小さな子までレムの毒牙に――!? あっ……んのっ、畜生!!」
「……(こくこく)」
「――そう。あなたも辛かったのね。……ええ、私もその気持ちはよぉく分かるわ」
「……?」
「そうと決まったら、そうねっ、あなた、私と一緒に行きましょう? 二人で一緒にレムを仕置きするのっ!」
「……(こくん)」
「決まりね!」
「……(こくん)」
「じゃあ――そうねっ。それじゃあ、まずはお互いに自己紹介といきましょうか」
「……?」
「私はスィリィ・エレファンよ。スィリィって呼んでくれて良いわ。あなたは?」
「……?」
「だから、あなたの名前は? ……そう言えばさっきから一言もしゃべってないけど、口が聞けないとか、そう言う訳じゃないわよね?」
「……(こくん)」
「そ。よかった。じゃあ、あなたの名前は?」
「……なまえ」
「そう、名前よ、あなたの名前」
「……アルア」
「アルア? ……それがあなたの名前?」
「……(こくん)」
「そ。アルアね。それじゃあアルア、二人で一緒にレムに天誅を下しに行きましょう!」
「……(こくん)」
「……ほんっっっとうに。レムってば、こんな子まで――どう言うつもりなのかしら……ね?」
……色々と舞台をそろえねば。
レムに天誅を!