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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん+女の子とご主人様
935/1098

 ど-569. ……縁側のお茶一杯が、美味しいねぇ

スィリィ嬢、ちょっともんもん中。

「……あ」



「なななな、なに!?」



「……ぃゃ」



「何よっ、一体何なのよっ、言いたい事があるならはっきりと言ったらいいでしょ!?」



「……良いのか?」



「ぇ」



「……本当に、はっきりと言っていいんだな?」



「……ちょ、ちょっとだけ待って頂戴。心を落ち着かせるから」



「分かった」



「……すぅぅ、はぁぁぁ、すぅぅぅぅぅぅぅぅ、……――ふぅ」



「……」



「よし、良いわよ。はっきりと、バッサリと言っちゃってくれて良いわ」



「ああ。……平和だな、と」



「……はい?」



「いや、本当に大したことじゃないんだけどさ。平和だなぁ、と。ふとそう思っただけだ」



「……」



「……スィリィ?」



「――何よそれっ!?」



「何、と言われても。俺が思った事を言ってくれって言ったのはスィリィの方だろう? 俺はただその通りに思った事を口にしただけだぞ。それにスィリィ、最近ちょっと変じゃないか?」



「何よっ、変なのはレムの方じゃない!!」



「俺が? ……いや? 最近は何の事件もなく、実に平穏無事な一日を過ごせたなぁって、この平穏がずっと続きますようにと空の彼方の女神サマに祈ってただけだぞ。変な事は一切ない」



「っ、それが変だって言ってるのよっ!」



「どこが?」



「だっ、だって。レムってば全然、全く、ちっとも気にしてないみたいじゃない!!」



「気にしてない? 何の事?」



「~~っっ!!」



「あ、もしかして先日スィリィが走って逃げだしてった時の事を言ってるのか? なら大丈夫だぞ。ヒトって、時々無性に走り出したくなる時があるもんなんだ。その気持ちは俺もよぉぉぉぉく、分かってるつもりだから。スィリィも気にするな、なっ?」



「……全然、分かってない」



「あん? いや、だからスィリィの気持ちならちゃんと分かってるって」



「だからっ、それが全然分かってないって言ってるのよ!!」



「何も怒鳴らなくても……と言うか、どんな根拠でスィリィは俺がスィリィの気持ちを分かってないって言うんだ?」



「そ、……それは、」



「え、だってアレだろ? スィリィってばせっかく勇気を振り絞って俺に一世一代の告白したのに余りに俺が素っ気ないから恥かしかったり苛立ったりどうしたらいいのかよく分からなくなって、だから走って逃げ出したんだろ?」



「……」



「違ったか?」



「……」



「ん? あれ、おかしいな……」



「――おかしいのはオマエの方だッ!」



「いや、俺はおかしくない。至って普通ですー」



「……沸々と沸々と、――これだけの気持ちを覚えるのって、一体何年ぶりくらいになるのかしらね?」



「んー、どうだろ? まあ俺にめっちゃえるおーぶいいーな感じだから、むしろ初めて会った時からずっと?」



「……何でかしらね。そんな感じで、でもなんとなく違う気もするわ。レムと初めて会った――“レムが養女誘拐の罪で指名手配されてた時、いきなり街中で私の手を取って逃げ出した”あの時、のようでもっと前に、似たような事があった気もするのよ……」



「気の所為じゃね?」



「そう、かしら……?」



「そうそう」



「――まあ、今はそんな些細な事どうだっていいコトよね。そんな事よりも、ねえ、レム?」



「ん? どうした、スィリィ」



「今、私の辞書の中から『加減』と『容赦』と『慈悲』とか……そんな感じの言葉が一斉に無くなったわ」



「……そうか。なら俺はちょっと用事を思い出したから、出かけてきても良いかな?」



「――何処に?」



「えーと、ほら、アレだ。ちょっとパンを買ってきてだな、咥えながら街角を走ってみようかな―と。そうすれば新しい出会いとかあるんじゃね? とか唐突に思った」



「唐突に? それって『思い出した』用事じゃないってコトよね?」



「そんな事はない。それにこれはきっと天啓なんだ。何となくそうしなきゃいけない的な気分に次第になってきたし」



「――」



「じゃ、そう言う訳で俺はちょっと出かけてくるから」



「――待ちなさいっ、レム!!」



「誰が待つかっ!! くそっ、何か知らんがまた最近スィリィが凶暴にっ!?」



「“零砲――」



「こらっ、スィリィ! 周りに迷惑がかかるような事は止めなさいって言っただろうがっ!」



「なら素直に捕まりなさいよっ!!」



「それは断る!」



「――っ、あぁ、もうっ! ほんっっっ、とうに待ちなさいよ、レム!!」



「嫌だぷー。そして俺は街角で新たな出会いとロマンスを探すんだっ。そう、それこそがきっと俺の新たな飛翔の門出!」



「御託は良いからっ、そこで止まって私に好きなだけぶちのめされなさいっ」



「嫌だよっ! つか好きなだけも何もぶちのめされること自体がお断りだっ!」



「~~っ、レム、待てえええ!!!!」



「誰が待つかっ! 待てと言われて待つ阿呆は一人シャトゥしかいねえ!!」




基本的にシャトゥの予言(?)は絶対です。世界の強制力とかそんなのが働いたり働かなかったり?

(ど-567のときのこと)

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