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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん+女の子とご主人様
921/1098

 ど-558. ときめいた!

レム君と、スィリィ嬢。

……あれー、おかしいな? 何でこんな事になっているのでしょーか?

確かにスィリィにツン要素はないですが(Sはあるかも?)――???

「――ぁっ」



「ん? どうかしたか、スィリィ」



「そう言えば何で私はこんなまったりとレムについてきちゃってるのよっ!!」



「おー、そう言えば。男女が仲良く二人きりで旅してるとかって、何だか新婚さんの全世界一周旅行みたいな感じだなー」



「新こっ――」



「ん、違う? スィリィはそんなこと思わないか? と言うか俺のイメージがおかしいのか?」



「ちがっ、……わなくもないけど。けど……? えっと、」



「? 俺の顔に何かついてる?」



「……」



「スィリィ?」



「――敢えて言えば無性に殴りつけたくなってくるような何かが憑いてる気がするわね」



「怖っ、怖いこと言うなよっ!?」



「ね、レム?」



「なん――うお!?」



「殴っても良い?」



「せめてそれは殴る前に聞こうぜ!?」



「だから今聞いてるじゃない」



「いや! スィリィ、今思いっきり俺の事殴ろうとしたから!!」



「でも空振ったから問題ないわよね?」



「問題大有りだっ!!」



「――ないわ」



「即断言しやがった。なんつー暴言を」



「……第一今のはレムが悪い訳だし、そもそも全部全部全部レムが悪いんだし、だからレムが悪くって当然であって悪いのは全部レムの所為だしっ」



「……あのー、スィリィさん?」



「何よっ、諸悪の根源!!」



「あれ、いつの間にか俺、酷い扱いになってない?」



「なってないわ。元からよ」



「そうか元からなのか、なら――余計に性質悪いわ!!」



「別に良いじゃない、そんなこと」



「全然良くない、全然良くないぞー」



「それよりも、……何よ?」



「? 『何よ』って?」



「? 私に何か用があるんじゃないの?」



「用? いや、特に……と言うか、そう言えば今更だけど、スィリィって何で俺についてきてるんだ?」



「そ、それは……」



「それは?」



「レムをキュッて、……締めるためとか――」



「……」



「レムに私の味わった苦痛の十倍返しするためとか――」



「……」



「具体的には、レムを殺るためとか……」



「随分物騒っすね!!」



「そう?」



「そうだよっ!! 聞いてりゃどう考えても俺が碌な目に遭わないだろうがっ、これじゃあ修行の名目にあいつの所から逃げ出して羽伸ばしてる意味が全然ないよ!!」



「……逃げる? あいつ?」



「――と、言うのはあくまで本音で建前は己を一から鍛え直すために一人で武者修行の旅に出てるんだ、今」



「……」



「な、何だよ? うわっ、しまった、今のは失言だ、あいつが盗み聞きしてたら俺無事じゃいられないぞ? とか、そう言う事はちょっとしか思ってないからな!!」



「いや、そんな事は聞いてないけど」



「そ、そうか。それは良かった」



「そんな事よりも――さ」



「ん?」



「ね……ねぇ、レム。ふと思ったんだけど」



「何か改まって、何だ」



「レムが一人で武者修行って事はつまり、……だ、誰の邪魔も入らないって考えていいのよね?」



「……」



「れ、れむ……?」



「――ひぃぃぃ!? スィリィ、お前っ、滅茶苦茶本気で殺る気だなっ、おい!!」



「あ、ちょ、レム――」



「だがっ、俺も黙って犯られる(?)つもりは毛頭ないっ!!」



「え、あ、」



「そして普段ならここで逃げる――と言ったところだが最近の俺は一味も二味も違うってところを見せてやるぜっ」



「な、なによ、やる気?」



「――スィリィ・エレファン。お前に俺の本気を見せてやろう」



「――?」



「抜刀」



「っ、今、何処から」



「見せるのは初めてだよな? 異次元にしまってある俺の愛剣だ。もっとも“何でも斬れる”って事以外は至って普通の剣な訳だけどな」



「……ほっ、本気、なのね?」



「――あぁ。それに、だ。ここらでどっちが格下で、どっちが弱いかをはっきりさせておいてやる」



「……っ、……何かレムが恰好良く見える」



「当然っ、ガチで闘えば俺の方が圧倒的に弱い!!」



「――と、思ったけど勘違いかもしれないわね」



「だから予め言っておく! 手加減して下さいお願いしますっ、――と!!」



「なんて言うか、ここまでくればあっぱれ、もういっそ清々しいわよね……」



「……まー、魔法言語、いや【冰頂】の能力だけでも禁止にしてくれればスィリィ程度、楽勝だけど」



「ぇ?」



「んにゃ、なんでもない。と言う訳だから俺も黙って犯られる(?)つもりはないが、負けた時は仕方がない。潔く諦めてやろう」



「……そう。何だか知らないけど、私とやる気なのね? それで私が勝ったらレムを好きにしても良いのねっ!!」



「えっと、……あれ? スィリィさん? 何だか微妙に鼻息が荒くないですか?」



「荒くないわ!」



「……こここここ、来いっ!!」



「うふふふふ、そんなに震えて……良い姿よね、レム?」



「……」



「そうよね? ちょっとだけ遊んで、それから――、ぇ?」



「と、言う戦略もある。油断を誘って一撃必殺、ってな。スィリィ、これで俺の勝ちだよな?」



「――ッ」



「おっと、下手に動くと怪我するぞ? さっきも言ったけど、この剣本当に何でも斬れるから油断してると首もぽろっといくんだぞー?」



「……」



「はい、スィリィ? 『参りました』は?」



「……ま、参りまし」



「いや、やっぱり『参りました、マイダーリン、ラブラブ愛してるぅ』で」



「――」



「って、これは流石に遊びすぎ、」



「――参ったわよ私の負けよ、まままままっマイダーリンッ、ラブラブ愛してるッッ!!!!!」



「――俺は感服した! むしろ俺の負けだ!!」



「……はっ、恥かしい~~っ」



「良しっ、それに免じて今後も俺についてくる事を許してやろうっ、スィリィ! 今後もかいがいしく俺の世話をしてくれよっ、な!」



「~~っっ」



「――ふむ。何だか幸先がいい気がするぞっ。こうなりゃ矢でも剣でも魔法でも、どこかの“なんちゃった♪”女神でも掛かってこいってのっ!」



「~~っっ!!!」


調子に乗ったレム君とか、幸せなレム君とかは本物のレムじゃない。きっとこいつは偽物だー。

……と思ってしまうのは何故だろう?


そして口は災いのもととも言う。



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